2018 Fiscal Year Annual Research Report
Extending the frontier of the transient science by multi-dimensional and multi-wavelength radiation transfer simulations
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
18H04585
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 啓一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00503880)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 輻射輸送 / 超新星 / 重力波天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
超新星爆発機構の全貌解明のためには、爆発モデルに基づいた輻射計算により予想される光度曲線・スペクトルを導き、これを様々な観測データにより検証することが必要である。本課題では、(1)超新星・爆発的天体現象に適用するための多次元・多波長輻射輸送コードの開発、(2)最新の超新星爆発モデルへの適用による、爆発理論の直接検証、を目的とする。本課題では、特に以下の天体をターゲットとした研究を進める。(a)標準的な「ニュートリノ駆動超新星」の現実的・多次元モデルに基づいた一般的な超新星の研究、(b)「連星中性子星の先駆超新星」モデルに基づいた、連星中性子星の形成過程の研究、(c)「超強磁場中性子星駆動超新星」の多次元モデルに基づいた、超高輝度超新 星の研究。 研究目的(a)に関しては放射性元素崩壊に伴うガンマ線・エックス線放射、可視光度曲線およびスペクトルの輻射シミュレーションがほぼ完了しており、論文を執筆中である。研究目的(b)(c)についても協力研究者との議論が進んでおり、計算セットアップのための準備が進んでいる。 また、本課題で目標とする多次元モデルと実際の観測データとの比較を視野に入れ、単純化された球対称輻射輸送計算を用いた研究を遂行し、以下のような成果をあげた:GRB171205Aに伴う極超新星SN2017iukにおける超高速成分の発見(Izzo, de Ugarte Postigo, Maeda, et al. 2019, Nature)、IIb/Ib/Ic型超新星の後期スペクトル解析による親星質量の多様性(Fang, Maeda, et al. 2019, Nature Astronomy; Fang, Maeda 2018)。 以上の成果を複数の国内外研究会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記述したように、放射性元素崩壊に伴うガンマ線・エックス線放射、可視光度曲線およびスペクトルの輻射シミュレーションがほぼ完了し、結果を取りまとめ中である。また、様々な超新星に関して一次元モデルと観測との比較が進行しており、特にガンマ線バーストに付随する超新星およびIIb/Ib/Ic型超新星の性質についての理解が大きく進展した。これらは、多次元計算が完了した際に観測データとの比較を進めるうえで基礎となる成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
放射性元素崩壊に伴うガンマ線・エックス線放射、可視光度曲線およびスペクトルの輻射シミュレーションの計算結果を取りまとめ、論文として発表する。研究目的(b)、(c)についても協力研究者との議論が進んでおり、計算セットアップのための準備が進んでいる。本年度は、これらの課題に関して輻射シミュレーションを行う。
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