2018 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on molecular and physiological mechanisms of the Matatabi response in the domestic cat
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
18H04602
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
宮崎 雅雄 岩手大学, 農学部, 准教授 (20392144)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ネコ / マタタビ / ケミカルシグナル / 化学コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ネコにマタタビを与えると、においを嗅いだ後に、舐める、ほほを擦り付ける、転がるといった特異的なマタタビ反応を示す。このマタタビ反応はトラ、ヒョウ、チーターなどのネコ科動物にみられるが、ネコ科以外の動物では報告がない。また、マタタビ反応には個体差があることも知られている。ネコの中にはマタタビに全く反応しない個体も存在し、マタタビ反応の有無は優性遺伝で決まることが報告されている。これまでにマタタビ活性物質の構造と分子量から、活性物質は揮発性でネコの嗅覚系で受容されると考えられている。しかし、ネコにおけるマタタビ活性物質の受容機構や、なぜネコ科動物だけがマタタビ活性物質に特異に反応するのか、マタタビに反応しないネコがいるのはなぜか、実のところほとんどわかっていない。そこで本研究は、マタタビ活性物質の受容機構の解明を目指し行われた。ネコの嗅覚系には、におい物質を受容する主嗅覚系とフェロモンなどの生理活性物質を受容する鋤鼻系が存在する。そこで次にマタタビ活性物質が主嗅球系と鋤鼻系のどちらで受容されているのかを調べた。マタタビ反応するネコに麻酔をかけ、鋤鼻器の開口部である切歯管を医療用ボンドで塞ぎ、覚醒後にマタタビ活性物質を提示して行動解析を行った。その結果、ネコは鋤鼻器を使えなくてもマタタビ反応することが分かった。以上の研究により、ネコはマタタビ活性物質を他のにおい物質と同様に主嗅覚系の嗅上皮に発現する嗅覚受容体で受容していることが強く示唆された。ネコのゲノム解析でこれまでに約800個の嗅覚受容体遺伝子が特定されている。そこで現在我々は、これらの嗅覚受容体の発現ベクターを構築し、哺乳動物の培養細胞を使った再構築系でマタタビ活性物質に応答する嗅覚受容体を探索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネコのマタタビ反応に重要な神経回路の一端を解明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マタタビ反応で活性化される情動系について詳細に解析していく。
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[Journal Article] A single pheromone receptor gene conserved across 400 million years of vertebrate evolution.2018
Author(s)
40.Suzuki, H., Nishida, H., Iwata, T., Yoda, R., Kondo, H., Iwata, T., Nakayama, K., Enomoto, T., Wu, J., Moriya-Ito, K., Miyazaki, M., Wakabayashi, Y., Kishida, T., Okabe, M., Suzuki, Y., Ito, T., Hirota, J., and Nikaido, M.
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Journal Title
Mol. Biol. Evol.
Volume: 35
Pages: 2928-2939
DOI
Peer Reviewed
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