2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of light-switchable protein degradation system
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
18H04605
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小和田 俊行 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40584397)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タンパク質分解 / タグタンパク質 / フォトクロミック分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光を用いて細胞内標的タンパク質の分解を任意のタイミングで誘起し、さらに停止させる、という操作技術の創出を目指している。 平成30年度は、FK506結合タンパク質変異体(FKBP12(F36V))に対する光応答性小分子リガンドを開発し、試験管内においてリガンドの光異性化能とタンパク質との親和性を評価した。紫外可視吸収スペクトルの測定の際に、開発した光応答性リガンドに対して330 nmおよび450 nmの光を交互に照射することで、リガンド構造の可逆的変化が起こることが示された。さらに、蛍光偏光解消法を用いることで、異性化に伴ってリガンドのFKBP12(F36V)に対する親和性が変化することが明らかとなった。 開発した光応答性リガンドに対して、細胞内でのタンパク質分解を誘導するための機能性部位として、(1)疎水性タグ構造、ならびに(2)ユビキチンE3リガーゼ結合構造を導入した。今後これらのリガンドを用いて生細胞内でのタンパク質分解誘導実験を行う予定である。 光応答性リガンドの生細胞内での評価に向けて、哺乳動物細胞用発現ベクターにFKBP12(F36V)と緑色蛍光タンパク質(GFP)もしくは赤色蛍光タンパク質(mCherry)との融合タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだコンストラクトを作製した。いずれのコンストラクトを用いた場合も、ヒト胎児腎細胞(HEK293T)内で融合タンパク質が発現することを、蛍光顕微鏡観察ならびにウエスタンブロッティング解析により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、FKBP12(F36V)に対する光応答性リガンドの合成、光物性評価、ならびに試験管内でのFKBP12(F36V)に対する親和性評価を行った。さらに、タンパク質分解誘導分子への誘導体化、哺乳動物用発現ベクターの構築まで達成しており、研究計画は概ね順調に実施されている。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパク質分解誘導分子の開発と、FKBP12(F36V)と蛍光タンパク質の融合発現ベクターの構築が完了しているため、今後は培養細胞を用いた実験へと移行する。まずは、蛍光顕微鏡観察やウエスタンブロッティング解析を用いたタンパク質分解の評価系を確立する。その後、光照射によってタンパク質分解の促進・停止のスイッチングが可能かを検討する。
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Research Products
(11 results)