2018 Fiscal Year Annual Research Report
最適化アルゴリズムを用いたドラッガブルポケット構造の高速探索手法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
18H04617
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 浩明 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40613328)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドラッガブルポケット / 最適化アルゴリズム / ドッキングシミュレーション / 分子動力学シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バーチャルスクリーニングに用いる最適なポケットを持つタンパク質構造を、最適化アルゴリズムによって高速に探索する手法の開発を目的とする。標的タンパク質の機能を阻害する化合物探索をドッキングシミュレーションによって行う場合、分子動力学シミュレーション等であらかじめドッキングの鋳型を複数準備しドッキングを行うアンサンブルドッキングと呼ばれる手法がよく用いられる。分子動力学シミュレーション等で得られるタンパク質構造は数千から数万と膨大になり、その中からどの構造をドッキングの鋳型として使用するかが化合物探索の精度に大きく影響を与える。最適化アルゴリズムによって膨大なタンパク質構造からドッキングに用いるタンパク質構造を高速に探索する手法を開発する。 2018年度は評価用ベンチマークセットの生成と最適化アルゴリズムで使用するタンパク質の特徴量の検討を行なった。評価用ベンチマークセット生成は、まず、立体構造が解かれている8種類のタンパク質構造に対して分子動力学シミュレーションを行い、各タンパク質に対して約1万個のスナップショットを取得した。次に、活性化合物40個とデコイ1,000個をrDockを用いてドッキングシミュレーションを行い、各立体構造におけるAUCスコアを算出した。最適化アルゴリズムで使用するタンパク質の特徴量の検討は、まず、ベイズ最適化アルゴリズムを実装した。次に、用いるタンパク質の特徴量の検討をCDK2タンパク質のデータセットを用いて行なった。ポケット構成残基の座標データがもっとも良いパフォーマンスを示した。 本研究プロジェクトは、おおむね順調に進展していると考えることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、代表的な8個のタンパク質について、タンパク質立体構造と既知リガンド情報を用いた評価用ベンチマークセットの生成を行なった。次に、CDK2タンパク質の評価用データセットを用いて最適化アルゴリズムで使用するタンパク質の特徴量を検討した。 当初の計画通りに、評価用ベンチマークセットの生成とタンパク質の特徴量の検討を行なった。本研究プロジェクトは、おおむね順調に進展していると考えることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、評価用ベンチマークセットを用いた最適化アルゴリズムの検討および解析フローの構築を行う。現在、最適化アルゴリズムにベイズ最適化を実装し、CDK2タンパク質を用いた評価を終了している。まずは、代表的な最適化アルゴリズムを検討する。次に、解析フローをスクリプト化し、残る7個のタンパク質データセットを用いた評価を行う。
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