2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of chemical communication tools for elucidation of allelopathy
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
18H04624
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新藤 充 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40226345)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 重力屈性阻害 / シス桂皮酸 / 構造活性相関研究 / 有機合成 / アレロケミカル / 分子プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
ユキヤナギのアレロケミカルの活性本体であるシス桂皮酸に弱い重力屈性阻害作用が見られたことから、シス桂皮酸誘導体合成化合物ライブラリーからいくつか幼根伸長阻害活性が低いものを選び出し、レタス幼根に対する重力屈性阻害試験に付したところ、(2Z,4E)フェニルプロパジエン酸で選択的な重力屈性阻害効果が見られた。本化合物はベンズアルデヒドに対してホーナーエモンズ反応の安藤変法を適用することで容易に合成することができた。この化合物に対して、2位および4位の立体異性体を各種合成し、さらにアルキルおよびアルキニル誘導体、カルボン酸部位にエステル、アミド、アルコールなどを置換した誘導体、またフェニル基に代えてアルキル基を導入した誘導体を有機合成し、レタス幼根の重力屈性阻害試験による構造活性相関研究を行い、2Z,4Eの立体化学が重要であること、カルボン酸とフェニル基が必須であることを明らかにした。なお、一部のエステルでも活性を保持した。これさらに活性を強める構造要素を有機合成により探索したところ、3位にアルキニル基を導入すると劇的に活性が向上することを見出した。 一方、シス桂皮酸のメタ位に置換基を導入した化合物に化成が強まる傾向が見られたので、いくつかの誘導体を合成し重力屈性阻害試験に付したところ、3-フェニルシス桂皮酸も極めて強いレタス幼根に対する重力屈性阻害効果を示すことを見出した。この化合物のベンゼン環上の置換誘導体を様々合成し、その結果、末端フェニル基のメタ位及びパラ位に置換基を導入しても活性が損なわれないことを見出した。以上の成果により化合物の作用機序解明のための分子プローブの合成指針が定まった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レタス幼根に対する強力な重力屈性阻害剤を見出し、構造活性相関を明らかにし、順調に研究は推移している。ただし他植物に対する試験研究はやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
合成した重力屈性阻害剤の分子プローブを分子設計し合成する。分子イメージングや標的生体分子の探索を目指す。なお、生物試験や生体分子の探索は研究協力者との共同研究で行う。
|
Research Products
(10 results)