2018 Fiscal Year Annual Research Report
双方向性の化学コミュニケーションから探る異種微生物間相互作用
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
18H04628
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
甲斐 建次 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (40508404)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポリイン / Collimonas fungivorans |
Outline of Annual Research Achievements |
土壌バクテリアCollimonas fungivorans Ter331株は、栄養欠乏状態でカビ菌糸を溶かし資化する。そのため、“fungus-feeding bacterium”(食カビ性バクテリア)とも呼ばれている。本菌は、ゲノム中に多数の二次代謝生合成遺伝子クラスターを有する。これらはいわば、対カビ用のケミカルウェポンの設計図である。遺伝子クラスターの構造から推測すると、多くが新規化合物の生合成マシナリーをコードすると予想されている。また、カビ菌糸から拡散する低分子化合物が、Ter331株の二次代謝を誘導する。つまり、本異種微生物間相互作用は興味深い双方向性の化学コミュニケーションである。平成30年度では、collimonin類の単離・構造決定を中心に進め、年度内に達成し、Organic Letters誌に報告した。さらに、生合成機構の解明を目指し、酸化酵素欠損株の作製を行った。Collimonin類の産生誘導物質に関してはアッセイ法構築を中心に進めて、次年度に向けての準備が整いつつある状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の達成目標であった、collimonin類の単離・構造決定に成功したからである。さらに、生合成マシナリー解明とcollimonin産生誘導物質解明に向けたアッセイ系構築に取り掛かることができた点も大きい。平成31年度も引き続き、未達成項目を含めて本研究課題を進めて行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Collimonin類の生合成マシナリー解明を進める。続いて、collimonin生合成欠損株を作製し、本菌と真菌類との相互作用におけるcollimonin類の機能を解明する。さらに、collimonin類がどのようにして真菌類に抗真菌性を示すのかどうかを、酵母の欠損株スクリーニングや真菌類のRNA-Seqなどを通して解明する。
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Research Products
(3 results)