2019 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体ハイブリッドによる炭化水素の官能基化
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
18H04648
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 直樹 京都大学, 工学研究科, 講師 (70512755)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 炭化水素 / 光 / 遷移金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
独立した機能を持つ複数の触媒の協働的な働きによって、炭化水素を官能基化する反応の開発研究を実施した。得られた代表的な成果は以下の通りである。 1. 飽和炭化水素C-H結合への二酸化炭素固定化反応の開発:ケトンとニッケル錯体のハイブリッド触媒によって、単純な飽和炭化水素に二酸化炭素を固定化して、カルボン酸を合成する反応を開発した。これまでに、ベンゼン、アルケンのアリル位、アルキルベンゼンのベンジル位の炭素-水素結合を切断して、そこに二酸化炭素を固定化する反応が報告されているが、飽和炭化水素については報告がなく、この反応が初めての例である。 カルボキシル基、もしくはその誘導体を配向基として利用して、特定の位置の炭素-水素結合を選択的に変換できる。飽和炭化水素を出発原料とする新しい合成経路の起点となることが期待される。 2. トルエン誘導体とアルデヒドの脱水素交差カップリング反応:イリジウムの光酸化還元触媒とニッケル錯体のハイブリッド触媒によって、トルエン誘導体とアルデヒドの脱水素カップリング反応が進行して、ケトンが得られることを見出した。酸化剤は不要であり、副生成物として水素が発生している。トルエン誘導体のホモカップリング体はごく少量にとどまり、アルデヒドのホモカップリング体は見られなかった。 ベンジル位炭素-水素結合がニッケル-臭素結合によって切断されて、一時的にベンジルニッケル種と臭化水素が生成していると考えられる。どちらの中間体も反応性に富むため、この知見はトルエン誘導体の様々な官能基化反応に展開できると期待される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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