2019 Fiscal Year Annual Research Report
不活性結合活性化反応のハイブリッド化
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
18H04649
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳶巣 守 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60403143)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機触媒 / N-ヘテロ環上カルベン / 芳香族求核置換 |
Outline of Annual Research Achievements |
NHC触媒はアルデヒドなどの求電子性化合物の極性転換反応に利用される有機分子触媒の一つである。アルデヒドにNHC触媒が付加して生じるBreslow中間体では極性転換を経て、カルボニル炭素が求核的に働くことが知られている 。一方、α, β-不飽和カルボニル化合物にNHC触媒が付加すると、極性転換によってβ位の炭素が求核的なイリド中間体となることが報告されている 。このイリド中間体は種々の求電子剤との反応が期待されるが、これまでに報告例があるのは、アルキルハライド19, α, β-不飽和カルボニル化合物 に限られていた。本研究ではこの中間体をSNAr反応に利用できることを初めて明らかにした。すなわち、分子内にα, β-不飽和アミドを持つフッ化アリールを用いて、NHC触媒による分子内SNAr反応により、環化体を得るという反応である。本反応はハロゲンを有する基質もハロゲンを損なうことなく反応が進行。アルケン部位のα位のみならず、β位に置換基を有する基質も適用できる。特筆すべきことに、ジメチルアミノ基、メトキシ基を有する電子豊富な芳香環でも反応が進行し、協奏的な機構を経て反応が進行することが示唆される。実際に、DFT計算により遷移状態においてはβ位のカルバニオンの求核攻撃と脱離基のフッ素の脱離が同時に進行していることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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