2018 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド触媒系による拡張π共役分子の迅速合成法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
18H04653
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新谷 亮 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50372561)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 拡張π共役分子 / ハイブリッド触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
拡張π共役有機化合物は、その特異な電子的・光学的性質から、有機材料の分野において幅広く応用が期待されている。しかしながら、既存の合成方法および効率の観点から見ると実用レベルに達している例は非常に少なく、アクセス可能な分子骨格についても未だに大きな制限がある。したがって、拡張π共役化合物を扱う様々な分野においてブレークスルーをもたらすには、新たな分子設計と革新的な高効率合成法の開発が急務である。 申請者らは近年、遷移金属錯体を触媒とした新規反応の開発により、従来法ではアクセスできない新しい拡張π共役化合物の効率的合成に成功している。しかし、これまで用いてきた反応単独では合成できる化合物の構造に制約があり、さらなる発展には新たな切り口による飛躍が必要である。 このような背景のもと、本年度における研究ではとくに、申請者らが近年開発した新たな拡張π共役分子構築法である「縫合反応」を、それに引き続くアルケンの異性化反応と組み合わせることにより、従来法ではアクセスが困難であった、多様な置換パターンのフルオレン誘導体を温和な条件下、容易にかつ高効率で合成する手法の開発に成功した。フルオレン類は発光性あるいは導電性有機材料の母骨格としての利用が期待されているが、その多くが分子内環化反応を鍵段階とした逐次反応によって骨格構築がなされており、それぞれが調製容易な2分子間での効率的なフルオレン骨格の構築が可能となる本合成手法は、当該分野に大きな進歩をもたらす成果であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応開発が比較的順調に進んだため、概ね当初の予定に沿って研究を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度の進捗を踏まえ、2019年度はとくに、これまで2段階の連続反応を逐次的に行っていたプロセスをハイブリッド化すること、および、このコンセプトを他の有用な拡張π共役分子の効率的合成法に適応・展開することを中心に取り組む予定である。
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Research Products
(22 results)