2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of metal complex/host molecule hybrid catalytic systems and development of selective C-H transformations
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
18H04656
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
國信 洋一郎 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40372685)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | C-H結合変換 / 位置選択性 / ホスト / テンプレート / 環状分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遷移金属触媒と触媒量のホスト分子(テンプレートや環状分子)の重奏的な利用により、位置選択的なC-H 結合変換反応を開発することを目的としている。 我々が以前開発した、触媒配位子と基質間での水素結合を利用するメタ位選択的なC-Hボリル化反応(Nature Chem. 2015, 7, 712)を利用することで、従来のC-H結合変換反応では困難だった芳香族化合物のメタ位選択的に様々な官能基や置換基を導入する方法の開発に成功した(Org. Lett. 2019, 21, 1342)。また、先に述べたメタ位選択的なC-Hボリル化反応で用いた触媒系を人工的な金属酵素と見なすことができると考え、その触媒系をC-Hボリル化に適用することにより、基質との水素結合を形成しえない触媒に比べて、C-Hボリル化が大幅に加速されること、基質特異性や官能基特異性が発現すること、を見出すことができた(ACS Catal. 2019, 9, 1705)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、テンプレートの利用によるC(sp2)-H結合変換反応の開発はあまりうまくいっていないものの、環状分子の利用によるC(sp2)-H結合変換反応の開発はうまく進行しており、現在精力的に研究を行なっている。よって、総じて、研究はおおむね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、環状分子の利用によるC(sp2)-H 結合変換反応の開発を行なう。この方法では、環状分子(ホスト分子)内に基質(ゲスト分子)を超分子相互作用により取り込むことで、基質を電子的に活性化することや、望まない反応点(芳香環のオルト位やメタ位)を立体的にブロックしてパラ位選択性を発現できると期待される。また、配向基を利用する方法や課題1の方法では実現できない、配位性の官能基をもたない基質(例えば、アルキルベンゼン)の位置選択的なC-H 結合変換反応も実現できるものと考えられる。 また、テンプレートの利用によるC(sp2)-H 結合変換反応も開発する。本研究では、テンプレートに含まれる触媒認識部位と基質認識部位により、遷移金属触媒と基質の両方を捕捉し、触媒金属中心を基質のメタ位もしくはパラ位C-H 結合に近づけることで、これまでほとんど報告例のなかったメタ位もしくはパラ位選択的なC(sp2)-H 変換反応を達成する。
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Research Products
(36 results)