2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of working principles of phospholipid transport proteins by single molecule analysis
Publicly Offered Research
Project Area | Quality of lipids in biological systems |
Project/Area Number |
18H04667
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 力也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 客員研究員 (30540108)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 1分子生物物理 / 膜タンパク質 / 脂質輸送 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞や細胞小器官を外界と仕切る生体膜は、リン脂質の2重層から構成されているが、その脂質組成は均一ではなく、内層と外層で大きく異なること(非対称性)が知られている。細胞内では、脂質組成の非対称性によりアポトーシスなどの様々な生理機能が制御されているため、非対称性の維持および崩壊のメカニズムの解明は、学術・産業の両面において急務とされている。この脂質組成の非対称性の制御には脂質輸送体が深く関わっている。近年、脂質輸送体の解析から、非対称性の制御機構の解明を目指す研究が盛んに行われているが、輸送機能を単分子レベルで高感度に解析することは困難であり、依然として不明な点が多い。そこで、本年度、私たちがこれまで自主開発してきた「生体膜マイクロチップ」および「タンパク質の1分子計測技術 」を総動員・発展させ、脂質輸送体の“輸送”に関する1分子生物物理計測を世界に先駆けて実現した。そして、網羅的な1分子解析を通じて、脂質輸送体の1種であるTMEM16Fの作動機構に関する新しい知見を獲得することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、私たちがこれまで自主開発してきた「生体膜マイクロチップ」および「タンパク質の1分子計測技術 」を総動員・発展させ、脂質輸送体の“輸送”に関する1分子生物物理計測を世界に先駆けて実現した。また、網羅的な1分子解析を通じて、脂質輸送体の1種であるTMEM16Fの作動機構に関する新しい知見を獲得することができたため、おおむね研究は順調に進捗しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度、私たちがこれまで自主開発してきた「生体膜マイクロチップ」および「タンパク質の1分子計測技術 」を総動員・発展させ、脂質輸送体の“輸送”に関する1分子生物物理計測を世界に先駆けて実現した。そして、網羅的な1分子解析を通じて、脂質輸送体の1種であるTMEM16Fの作動機構に関する新しい知見を獲得することができた。今後は、他の脂質輸送体の1分子計測を通じて、脂質輸送に関わる作動機構の普遍性、特異性の理解を目指すつもりである。
|