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2018 Fiscal Year Annual Research Report

Molecular mechanisms of species-specific temperature-dependency and compensation of Notch signaling

Publicly Offered Research

Project AreaIntegrative understanding of biological phenomena with temperature as a key theme
Project/Area Number 18H04701
Research InstitutionKyoto Prefectural University of Medicine

Principal Investigator

野村 真  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10323007)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
KeywordsNotch / 神経前駆細胞 / エンドサイトーシス / 温度依存性 / 進化
Outline of Annual Research Achievements

これまでの研究により、ニワトリ胚大脳の神経前駆細胞におけるNotchシグナルの活性は37度よりも30度で有意に上昇すること、この現象がエンドサイトーシスに依存していることを見出している。当該年度はこの低温におけるNotchシグナルの活性上昇を制御する分子機構をさらに検討した。まず、低温でのNotch活性上昇がNotchリガンドに依存しているかを検討するため、Notchリガンドの1つであるDll1の細胞内ドメインを欠損した変異リガンド (Dll1dC) をニワトリ神経前駆細胞に導入したところ、30度におけるNotchシグナル活性上昇が大幅に抑制された。一方、人工リガンドを認識する合成Notch受容体(SynNotch)をニワトリ神経前駆細胞に導入したところ、この受容体を介したリポーター活性は低温では増強されなかった。また免疫沈降によってユビキチン化されたDll1を検出したところ、低温においてDll1のユビキチン化が亢進されていることが明らかとなった。さらに、37度と30度で培養したニワトリ神経前駆細胞よりRNAを抽出し RNAseq を行った結果、30度で培養した神経前駆細胞においてエンドサイトーシス経路を構成する転写産物のエンリッチメントが確認された。一方、細胞膜の流動性を制御するコレステロールの阻害薬を培地に添加すると、低温におけるNotch活性が大幅に減少した。以上のことから、ニワトリ神経前駆細胞における低温でのNotchシグナル活性上昇は、リガンドであるDll1のエンドサイトーシスに依存しており、ユビキチン化の亢進はその現象を反映していること、また低温でのエンドサイトーシス活性の亢進は細胞膜上におけるリガンドの分布状態の変化に影響を受けている可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

低温におけNocth シグナル活性がリガンドのエンドサイトーシス系路に依存していることを明らかにすることができたこと、温度依存的なシグナル活性の分子基盤を明らかにすることができたことより、今後の研究の方向性を打ち出すことが可能となったため。

Strategy for Future Research Activity

一連の研究成果を踏まえ、神経前駆細胞の細胞膜構成成分(脂質、コレステロールなど)の組成が種によってことなり、特に鳥類では低温で細胞膜の物性に顕著な違いが生ずることにより、Dll1リガンドのエンドサイトーシスが亢進している可能性が考えられる。そこで、爬虫類、鳥類や哺乳類の神経前駆細胞の細胞膜を構成する脂質やコレステロールの含有量を質量分析などで検討し、これらのデータが膜の流動性に与える影響を検討することにより、Notch活性の温度依存性を生み出す分子機構を明らかにする。またマウス神経前駆細胞を異なる温度条件で培養した場合の遺伝子発現の変化をRNAseq により検討する。さらに、マウス、スッポン、ニワトリにおいて胚発生の段階で一過的にNotcシグナルを亢進した場合、脳構築や神経細胞の形態にどのような影響が生じるのかを比較検討する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 生物の寒冷地適応をもたらした遺伝的基盤について2019

    • Author(s)
      野村真、末永大夢
    • Journal Title

      HUMANA STUDIA et NATURALIA

      Volume: 52 Pages: 41

  • [Presentation] Temperature-dependent and -independent regulations of Notch signaling in amniote brain development and evolution2018

    • Author(s)
      Tadashi Nomura, Wataru Yamashita, Hitoshi Gotoh, Katsuhiko Ono
    • Organizer
      Cortical Evolution Conference 2018
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Temperature-sensitive and -insensitive controls of Notch signaling in amniote brain development and evolution2018

    • Author(s)
      Tadashi Nomura, Ryo Shirai, Wataru Yamashita, Hitoshi Gotoh, Katsuhiko Ono.
    • Organizer
      第41回日本神経科学会大会
  • [Book] 遺伝子から解き明かす脳の不思議な世界2018

    • Author(s)
      滋野修一、野村真、村上安則
    • Total Pages
      519
    • Publisher
      一色出版

URL: 

Published: 2019-12-27  

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