2018 Fiscal Year Annual Research Report
DNA二重鎖切断修復によるゲノム安定性維持機構の4D情報
Publicly Offered Research
Project Area | Chromosome Orchestration System |
Project/Area Number |
18H04709
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 真理子 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (50722013)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DNA二重鎖切断 / ゲノム安定性 / 複製阻害 / rDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
複製阻害時のDSB修復に関わる新規因子の同定(研究計画1) 先行研究において、出芽酵母の約4,800個の遺伝子欠損株の中から異常なrDNAコピー数変動を示す変異株を探索するゲノムワイドスクリーニングを行い、rDNA領域が不安定になる変異株を約700個同定した(Saka et al., Nucleic Acids Research 2016)。そこでまず、パルスフィールドゲル電気泳動法および染色体外環状rDNA解析を行うことによって、これらの変異株のrDNA不安定性の再現性を確認した。rDNA領域では、Fob1タンパク質が複製阻害点に結合することによって複製装置の進行阻害が起こりDSBが生じる。そこでrDNA不安定化の再現性がとれた変異株の中から、その不安定化がFob1に依存して起こる変異株を同定した。これらの株で欠損している遺伝子は、FOB1による複製阻害の下流、つまりDSB修復過程で作用している可能性が考えられるため次年度の研究において解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複製阻害時のDSB修復に関わる新規遺伝子を同定する研究(研究計画1)についてはおおむね順調に進んでいる。研究計画2では、新規DSB修復因子がS期以外のDSB修復に関与するかどうかを解析する。そこでI-SceIエンドヌクレアーゼの認識配列をrDNA領域に挿入し、I-SceIを発現させることによってrDNA領域に複製非依存的なDSBを誘導する予定である。しかし、I-SceI認識配列をrDNAに挿入するために用いるプラスミドの構築に時間を要したため、研究計画2についてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Fob1依存的にrDNA不安定化を起こした変異株においては、DSB形成および修復過程で異常が見られるかを解析し、変異遺伝子の作用機構を明らかにする(研究計画1)。目的因子がS期以外のDSB修復に関与するかどうかを確かめるため(研究計画2)、複製非依存的なDSBを誘導する実験系を速やかに確立しS期以外でのDSB修復における役割を解析する。
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