2019 Fiscal Year Annual Research Report
染色体融合によるM期停止機構の4D解析
Publicly Offered Research
Project Area | Chromosome Orchestration System |
Project/Area Number |
18H04712
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 眞理 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (90761099)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 染色体融合 / 上皮細胞 / 間葉細胞 / M期停止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、染色体末端を保護するテロメアの機能不全により染色体が融合した際に、染色体や細胞にどのような影響が生じるかを解明する。特に、様々な異なる細胞の種類において、染色体融合の運命が異なるとの仮説に基づき、研究を遂行する。ヒト乳腺上皮細胞(HMEC)、及び上皮間葉転換を引き起こしたHMEC-EMTを用いた解析から、染色体融合がHMECでは2核化を引き起こすのに対して、HMEC-EMTではM期停止を引き起こすことを明らかにした。よって、同一の遺伝的バックグラウンドを持つ細胞においても、細胞の種類が変化することで、染色体融合の運命が変化することが示唆された。細胞周期を可視化する技法とライブセルイメージングを用いた解析の結果、染色体融合は、間葉系の細胞において、M期停止の前に、DNA複製(S)期の遅延を引き起こしていることが明らかとなった。2019年度においては、オーストラリアChildren’s Medical Research InstituteのCesare博士との共同研究を展開し、間葉細胞においてDNA複製を阻害する薬剤によってS期遅延を引き起こすと、同様にM期停止することを明らかにし、国際雑誌に発表した。つまり、染色体融合、S期阻害剤は、共にS期遅延とM期停止を引き起こす。しかしながら、後者の表現型はATRキナーゼの阻害剤によって悪化するのに対し、前者はATR阻害剤によって抑制された。このことから、染色体融合によって引き起こされるS期遅延は、M期停止の直接の原因ではない可能性が示唆された。一方、染色体融合は、HMEC-EMTでのみAnneuploidyを引き起こすことを示唆するデータが得られたため、そのような染色体の異常が間葉細胞におけるS期遅延やM期停止の原因である可能性が考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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