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2018 Fiscal Year Annual Research Report

1細胞Hi-Cを用いた、G2期姉妹染色分体間の立体的関係の探索

Publicly Offered Research

Project AreaChromosome Orchestration System
Project/Area Number 18H04714
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

永野 隆  大阪大学, 蛋白質研究所, 招へい教授 (70272854)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywords染色分体 / クロマチン高次構造
Outline of Annual Research Achievements

細胞周期S期にDNA複製により作られた1対の姉妹染色分体は、互いに接着されていると同時に混ざり合わぬよう離されてもいることが知られているが、どのような立体的関係でこの接着と解離のバランスを保っているのかは分かっていない。その点について、Hi-C法を用いてDNA解像度での知見を得ることが本研究の目的である。1対の染色分体は塩基配列の違いなど通常の方法では鑑別不可能であるが、本研究ではBrdU標識された新生DNA鎖が紫外線照射によりニック導入を受けることを利用し、BrdU標識細胞からHi-C法により作られる異所間結合DNAパターンの紫外線照射による変化を指標として、見かけ上は同じ染色体内で形成されたように見えるHi-Cデータを染色分体内(cis-chromatid)のデータと1対の染色分体間をつなぐ(trans-chromatid)データに分類することが可能なのではないか、というアイデアに基づくものである。

昨年度(初年度)の研究により、BrdUにて適切に標識されたゲノム領域については上記のアイデア通りにcis-およびtrans-chromatidのHi-Cデータを区別できることを示すデータが得られた。更に、cis-chromatidとtrans-chromatidのHi-Cデータのバランスはゲノム領域により一様ではないことも示唆され、冒頭に記した「どのような立体的関係でこの接着と解離のバランスを保っているのか」という点の解明に向けて有意義な一歩を踏み出すことができた。しかし同時に、ゲノム領域によってはBrdU標識効率が不十分なため、上記のアイデアに基づく解析ができない領域が少なからず存在することも判明した。

今後はcis-およびtrans-chromatidデータのバランスと相関する局所要因を探索すると共に、全ゲノム領域に対して本手法が使えるようBrdU標識効率の改善を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度(初年度)の研究により、BrdUにて適切に標識されたゲノム領域は上記のアイデア通りにcis-およびtrans-chromatidのHi-Cデータを区別できることを示すデータが得られた。更に、cis-chromatidとtrans-chromatidのHi-Cデータのバランスはゲノム領域により一様ではないことも示唆され、冒頭に記した「どのような立体的関係でこの接着と解離のバランスを保っているのか」という点の解明に向けて有意義な一歩を踏み出すことができた。

Strategy for Future Research Activity

昨年度の結果を踏まえ、今年度は主に以下の2点に注力して研究を進める計画である。

1. BrdUにて期待通りに標識されcis-chromatidとtrans-chromatidのHi-Cデータの鑑別が可能であった領域に関しては、cis-chromatidデータとtrans-chromatidデータのバランスがどのような局所要因と相関しているのかを調べる。これにより、「1対の染色分体がどのような立体的関係で接着と解離のバランスを保っているのか」という点の更なる詳細に迫ることができると考えている。
2. これまで試みた方法ではBrdU標識効率が不十分であった領域(cis-chromatidとtrans-chromatidのHi-Cデータの鑑別ができていない領域)に関しては、標識効率を改善する方法を模索する。

これらの取り組みを通じ、全ゲノム領域を対象として1対の染色分体の立体的関係を明らかにできる手法の完成を目指して引き続き研究を進める。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 Other

All Int'l Joint Research (3 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] Babraham Institute(英国)

    • Country Name
      UNITED KINGDOM
    • Counterpart Institution
      Babraham Institute
  • [Int'l Joint Research] ワイツマン科学研究所(イスラエル)

    • Country Name
      ISRAEL
    • Counterpart Institution
      ワイツマン科学研究所
  • [Int'l Joint Research] フロリダ州立大学(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      フロリダ州立大学
  • [Presentation] 姉妹染色分体を鑑別可能なHi-C技術開発の試み2018

    • Author(s)
      永野 隆
    • Organizer
      日本生化学会第91回大会
    • Invited

URL: 

Published: 2019-12-27  

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