2018 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding disease etiology by using Hi-C data
Publicly Offered Research
Project Area | Chromosome Orchestration System |
Project/Area Number |
18H04717
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
須山 幹太 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70452365)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Hi-C / 次世代シーケンサー / 疾患ゲノム解析 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、次世代シーケンサーを応用したHi-C 法による染色体の立体構造の解析が急速に進んでいる。本研究は、申請者がこれまでに開発したHi-C データ解釈のためのウェブサーバChromContactの拡充を図り、幅広いユーザーがHi-C データを利活用するための基盤技術の創出を目指す。また、それを応用した研究として、遠位エンハンサーの同定、および生物種間で見られる染色体転座と空間配置の関係についての解析を進める。とくに、発症メカニズムについてのモデル化が十分でないGWAS 解析の結果について、遠位エンハンサーの変異が関与している可能性を調べることで、その発症メカニズムの解釈を試みる。このように、次世代シーケンサーのデータ解析、特に近年発展が目覚ましいHi-C データの解析を中心にしたバイオインフォマティクス研究により、本領域の推進に貢献する。 本年度は、まず、ChromContactウェブサーバのメンテナンスを行った。さらに、このウェブサーバも用い、公共データベースで公開されているエピゲノムやHi-Cデータの統合・再解析を通して、慢性皮膚角化疾患である乾癬との関連が報告されているSNPsがEGF signalingに関与するERRFI1遺伝子の遠位エンハンサー領域に存在することを見出した。原因SNPは転写因子の結合レベルおよびクロマチンの構造を変化させることでERRFI1の転写活性を減少させる可能性を示した。これらの成果は、non-coding SNPsの詳細な機能解析により新規ターゲット遺伝子および分子メカニズムの同定をおこなったものであり、創薬への展開が期待される。現在、論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定していたChromContactウェブサーバのメンテナンスを行った。またこのウェブサーバを用い、GWASの結果について、染色体の立体構造が遺伝子発現制御に影響を与えることで疾患感受性に関与している事例の探索を行った。その結果、慢性皮膚角化疾患である乾癬との関連が報告されているSNPsがEGF signalingに関与するERRFI1遺伝子の遠位エンハンサー領域に存在することを見出した。原因SNPは転写因子の結合レベルおよびクロマチンの構造を変化させることでERRFI1の転写活性を減少させる可能性を示した。これらの成果は、non-coding SNPsの詳細な機能解析により新規ターゲット遺伝子および分子メカニズムの同定をおこなったものであり、創薬への展開が期待される。現在、論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当初計画に基づき、前年度に引き続きChromContactウェブサーバの管理を行うとともに、解析対象をGWASにより同定されたSNPだけでなく、染色体転座などについても対象を広げる。これらにより、様々な疾患について、得られた変異がどのようにして疾患発症へ関与するのか、既存の公開データも活用し、その解釈およびモデルの構築を行う。さらに、得られた結果の論文化を進める。
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Research Products
(6 results)