2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of chromatin accessibility
Publicly Offered Research
Project Area | Chromosome Orchestration System |
Project/Area Number |
18H04722
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
宮成 悠介 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特任准教授 (60469608)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
プロモーターやエンハンサーなどの転写制御領域は、ヌクレオソームによって占有されておらず、DNAが裸の状態をとる。この様な領域は、転写因子やRNAポリメレースなどがゲノムDNAに直接結合(アクセス)することができるため、「アクセッシブルクロマチン」と呼ばれる。これまでに、クロマチンのアクセシビリティを変化させる酵素としてクロマチンリモデリング因子などが同定されている。一方で、「細胞特異的な」ゲノム領域のアクセシビリティがどのようにして制御されているかは未だに明らかになっていない。本プロジェクトでは、クロマチン高次構造を制御する因子を網羅的に同定するために、ヒト1倍体細胞であるeHAP1細胞を用いてCRISPR genome wide screeningをおこなった。スクリーニングのリードアウトとしてはATAC-seeを用いることにより、細胞内のアクセシブルクロマチンの総量を1細胞レベルで定量した。その結果、クロマチン高次構造を負に制御する因子、および正に制御する因子を100種類程度同定することに成功した。当初、クロマチンリモデラーやヒストンシャペロンなどのクロマチン構造関連因子が多く同定されることを予想していたが、その予想とは大きく異なり、それらの制御因子は同定された遺伝子群の一部であり、多くの候補遺伝子が新規因子であった。同定された遺伝子の多くが細胞の生き死にに必須の遺伝子であり、クロマチン高次構造の破綻がもたらす影響が改めて浮き彫りとなった。また、それら因子は様々な分子機能をもった複数のPathwayに分類されるため、ゲノム上で営まれる様々な分子反応にクロマチンアクセシビリティの構築が重要なイベントであることが、明らかとなった。現在、選抜した候補遺伝子の機能解析をATAC-seq法などで解析することで行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スクリーニング結果をBioinfomatics解析により多面的に解析することによって、効率よく研究を進めることができている。当初、NUP43などの因子に着目して解析する予定であったが、その他に同定された因子も並列して解析することでクロマチンアクセシビリティを制御するネットワークを多面的に解析することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、同定された因子の機能解析を進めるべく、選抜された遺伝子のノックアウト細胞を作成し、ATAC-seq法によって、プロモーターやエンハンサーなどのオープンクロマチン領域への影響を解析する予定である。また、MNase-seq法によって、ヌクレオソームの占有率を測定し、ゲノムワイドな影響を解析する準備をしている。
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