2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration research toward the development of new principles for membrane potential detection
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
18H04731
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
筒井 秀和 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (30392038)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 蛍光蛋白質 / 蛍光 / 金属・溶液界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
電場は物質としての実体はないが、生体における重要な情報伝達因子の一つである。神経や筋の活動電位、ミトコンドリア膜におけるエネルギー産生の他、膜電場は多様な細胞機能に関与することが示唆されているが、その全貌は未だ明らかとなってはいない。膜電位が果たす役割をより詳細に理解するためには、従来の電気生理的手法に加え膜電位動態の時空間可視化技術が重要である。これまでに例えば、蛍光タンパク質と膜電位依存的に構造変化を引き起こす電位センサードメインとを融合させることにより、膜電位変化を光学信号として可視化する分子ツールが作成されてきたが、その適用範囲や感度、時間特性はまだ限られており、さらなる発展が必要な状況にある。 蛍光蛋白質が金属・溶液界面において電場依存的に千倍以上のコントラスト比で蛍光強度の変調を引き起こすことを見出し、膜電位可視化をはじめとする細胞生物学的応用への可能性があると考え、その現象の記載と原理解明を目指した実験を行った。その結果、1)変調時に蛍光波長の有意な変化は検出されないこと、2)蛍光蛋白質の種類によって、電圧依存性や時間特性といった応答の細部が異なること、3)局所pHの変化のみでは説明できないこと、4)発色団内のチロシン由来水酸基のプロトン化状態の遷移は本現象に必須ではないこと、5)蛍光蛋白質を別の蛋白質層を介して間接的に固定化しても類似の現象が観察されること、などを見出した。共鳴エネルギー移動効率が電場依存的に変化している可能性、金属-蛋白質間の電化移動が重要な役割を果たす可能性を想定している。今後、さらに原理の詳細を理解することにより、本研究で見出された蛍光蛋白質の金属・溶液界面における電圧依存的な蛍光変調現象は、細胞生物学的応用のみならず、例えば分子素子としての応用など、将来的に広い分野に波及する可能性を持つ。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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