2018 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格を足場とする酸化ストレスナノイメージング法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
18H04740
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
平山 祐 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (10600207)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イメージング / 酸化ストレス / ナノイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、細胞骨格を足場とした酸化ストレス関連分子のナノイメージングに向けた技術開発を目指すものである。当該年度においては、細胞骨格分子である細胞膜およびアクチンフィラメントに結合する蛍光プローブ分子の開発に取り組んだ。 細胞膜結合型二価鉄イオン検出分子としてMem-RhoNoxを開発し、細胞膜上での二価鉄イオンの検出に成功し、トランスフェリンにより取り込まれる鉄イオンのリアルタイム蛍光イメージングに成功した。これは、トランスフェリンにより惹起されるエンドサイトーシス中に二価鉄イオンが一時的に発生することを初めて生細胞内で捉えた例である。また、本化合物の分子設計は、細胞膜を足場としたプローブ開発におけるプラットフォームとなりうることから、他の酸化ストレス関連分子の検出プローブへと応用である。 次に、アクチン結合型プローブについて、アクチンへの結合活性が知られている分子、および共有結合形成部位を蛍光分子に組み込んだ、新しいアクチン結合性蛍光プローブを設計し、その合成に成功した。しかしながら、本プローブ分子を細胞に適用し、その局在を蛍光顕微鏡にて観察したところ、アクチンではなく小胞体への集積が確認された。また、洗浄操作によっても残存したことから、プローブ分子に導入した共有結合部位が機能したことにより、不可逆的な結合が起こっていることも示唆された。本プローブはアクチンフィラメントではないものの、小胞体でのイメージングに利用可能であることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は膜結合型蛍光プローブおよびアクチン結合型蛍光プローブの開発に取り組んだ。膜結合型のものは順調に進行し、結果が得られているものの、本研究のメインとするアクチン結合性のものについては、合成は達成したものの予想に反する結果となり、現在はその分子設計を見直し、新たな化合物の作成を試みているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに得られた結果をもとに、分子設計を見直し新しいアクチン結合性分子の開発とそれを応用した酸化ストレスナノイメージングへの適用へと展開する。また、すでに得られている小胞体集積型蛍光プローブについては、酸化ストレス応答部位を導入し、小胞体特異的に起こる酸化ストレスに関連した生命現象を可視化していく予定である。
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Research Products
(1 results)