2018 Fiscal Year Annual Research Report
Bio-imaging technology to unify the information of multi-layered structure
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
18H04743
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
日置 寛之 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00402850)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 透明化 / 神経 / ズームイン / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経回路構造を明らかにするためには、全脳レベルからシナプスレベルまで、複合的な階層システムを解析しなければならない。我々は、単一神経細胞レベルで軸索投射様式を解析し、そこに共通する『原理・原則』を見出すことで、中枢神経系の基本構築解明を目指してきた。しかし、これまでに用いてきた手法には、技術的制約や実験効率といった観点から、多くの問題点があった。そこで本研究課題では、(A) 目的とする神経細胞を隅々まで標識し、高速かつ高解像度でイメージングする基盤技術、(B) 厚みのある標本で、シナプス前・後構造を標識する基盤技術、(C) 『マクロ-メゾ-ミクロ』の各階層をシームレスに解析する実践的応用開発を推進し、従来法の問題点を解決する。本領域で展開されている、色素、光学顕微鏡、イメージングソフトウェア、サンプル調製を包括する技術開発を参考にしながら、平成30年度は以下の課題に取り組んだ。 (1)アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる標識:我々が独自に開発した「高発現型AAVシステム(Sohn et al., 2017)」を用い、蛍光タンパクに膜移行シグナルやGPIアンカーを付加することで(計9種)、神経細胞標識効率の向上を目指した。3種で良好な結果を得ており、引き続き検討する。また、本領域で開発されている新規プローブ(未発表)について、AAVベクターの作製を行った。 (2) スライス標本を短時間で透明化する手法の開発を行った。電子顕微鏡観察にも適応可能であり、マクロからミクロへのズームイン技術開発を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな問題も生じず、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 神経細胞を隅々まで標識する目的で、AAVベクターの開発を進めてきた。神経細胞種によって標識効率が異なる可能性が想定されるため、中枢神経系の多くの細胞に適用可能かどうかを検証する。また、AAVベクターの提供を中心とした、領域内共同研究を推進する。 (2) 本領域では「光学顕微鏡観察」に関する、様々な技術が開発されている。透明化したサンプルに有用な手法を積極的に取り入れ、共同研究を引き続き進める。 (3) 電子顕微鏡観察を行うためには、DAB等を沈着させ、電子密度を局所で高くする必要がある。光学顕微鏡観察で蛍光シグナルを観察した後に、DABを効率的に沈着させる手法の開発を進める。また、超微細構造の保持にも努める。 (4) これまでに開発してきた技術を統合し、マクロレベルからミクロレベルまで観察する系の確立に注力する。
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Research Products
(19 results)