2018 Fiscal Year Annual Research Report
個体動物における組織深部分子活性化イメージングのための新規蛍光タンパク質の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
18H04748
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村越 秀治 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (90608142)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 蛍光タンパク質 / フェルスター共鳴エネルギー移動 / 蛍光寿命イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
組織浸透性の高い長波長に最適化された新規“無蛍光”赤色蛍光タンパク質を開発し、2光子蛍光寿命イメージングによる組織内神経細胞内分子活性化イメージングに応用することが本研究の目的である。現在までに、赤色蛍光タンパク質であるmRFP、或いはmCherryを鋳型にし、Error-prone PCRによるランダム変異導入により、吸収はあるが量子収率がほぼ0の無蛍光赤色蛍光タンパク質(ShadowR)の開発に成功した。特に、変異導入にあたって、側鎖が外側に向いているアミノ酸をより親水性のものに置換することによって、細胞内タンパク質への非特異的結合を減らすことができた。また、作製したプロトタイプのShadowRの細胞発現効率を生化学的に調べ、さらに、吸収・発光スペクトルやフォールディング効率等の各種パラメータを計測し性能評価を行った。また、mRuby2(FRETのドナー)とShadowR(アクセプター)のペアを既出のFRETプローブ(CaMKII、Ras、LOV2)に応用することで発現効率やシグナルの大きさ・安定性が優れていることを確認した。現在論文を改定中であり、今年度の出版を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規開発のShadowRの作製に成功した。概要で述べたように、既存の赤色蛍光タンパク質を鋳型にし、Error-prone PCRによるランダム変異導入により、吸収はあるが量子収率がほぼ0の無蛍光赤色蛍光タンパク質(ShadowR)の開発を進めた。特に、変異導入にあたって、側鎖が外側に向いているアミノ酸をより親水性のものに置換することによって、細胞内タンパク質への非特異的結合を減らすことができた。また、生化学的アッセイや、吸収・発光特性の解析、生きた細胞内でのFRETプローブの特性の解析も済み、現在論文を改定中である。研究は極めて順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
FRETプローブのアデノ随伴ウイルスを作製し、海馬スライスを用いてShadowRの性能を評価する。スライスでの評価がうまく行った場合には個体マウスにプローブを発現させ、2光子蛍光寿命イメージングを行う。このようにして、Ca2+パターンとCaMKII活性化を同時観察することによりその関係を明らかにする。
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Research Products
(7 results)