2019 Fiscal Year Annual Research Report
回転と伸張を駆動する接触追従と走化性の構成ロジック - 細胞性粘菌の頂端形成
Publicly Offered Research
Project Area | Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms |
Project/Area Number |
18H04759
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤井 哲 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20500367)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞運動 / 形態形成 / 細胞選別 / 細胞極性 / 自己組織化 / 細胞性粘菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、細胞性粘菌の集合塊上端の頂端構造の形成をとりあげ、第I期公募研究において解析した接触依存性の追従運動に注目し、接触依存性の細胞運動の特性、アクチンなどの分子動態に注目し、これら細胞レベルの特性と組織の回転と伸張運動による3次元形態の形成との関係の理解を目的とした。これまでの研究から、予定柄細胞では接触追従性が弱く、走化性が優先され、逆に予定胞子では接触追従が優先され、このことと、予定柄細胞の集積が生じることが示唆された。そこで、予定柄、予定胞子細胞それぞれの運動性、方向決定性の詳細を生細胞イメージングに基づいて解析した。単離状態の細胞、また接触した細胞ペアの振る舞いについて、先導端のマーカーとして、F-アクチン、Rac、Ras活性、SCAR/WAVE複合体の可視化プローブを発現させた安定株を用い、レーザー共焦点顕微鏡によるタイムラプス画像から先導端形成の動態を測定した。その結果、予定胞子細胞は仮足の数が1つに限定されることが多く、その動きも単極的である一方、予定柄細胞では仮足が複数形成され、接着依存的な仮足形成の誘導が頻繁に観察された。この仮足形成は、自らに対しても生じるため、細胞前方同士による仮足形成促進によって、仮足のループ構造が生じること、細胞前方と後方との接触によって、単独細胞においても回転モードが生じることが明らかになった。このことから、予定柄細胞はこれまで想定されていた以上に、接着依存性の方向転換能力をもっている可能性が浮上した。さらに光シート顕微鏡によって、細胞間の接触運動や、組織中の細胞運動の3次元イメージング解析をおこなうため、各種の細胞型レポーターと細胞骨格系マーカーの共発現細胞を作出した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)