2018 Fiscal Year Annual Research Report
分子・細胞・組織におけるキラリティ構造の定量解析と階層間変換原理の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms |
Project/Area Number |
18H04762
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
玉田 篤史 関西医科大学, 医学部, 准教授 (60270576)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キラリティ / 左右非対称性 / イメージング / ミオシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生物の様々な階層におけるキラリティ・左右非対称構造を明らかにし、階層間をつなぐキラリティ構造の変換原理を探ることを目指す。申請者は、「分子のキラリティが細胞のキラリティに変換され、さらに組織・器官・個体レベルでの左右非対称性に変換される」という仮説を立てている。本研究では、神経系と細胞性粘菌の形態形成をモデルとして用い、まず、細胞集団・組織・器官・個体レベルにおいて、キラリティ・非対称構造が存在するのかどうかについて定量的に解析する。つぎに、最下層の分子のキラリティ構造に摂動を与えたときの、上位階層におけるキラリティ・非対称性に現れる変化を検出することで、階層間をつなぐキラリティの変換原理を解明することを研究目的としている。また、イメージングと3D構造・4D運動解析の技術的観点から本新学術領域の支援を行うことをもう1つの目的としている。本年度の研究においては、まず、分子キラリティから脳の左右非対称性形成に至る階層的な仮説をまとめて、「キラルニューロンモデル」として論文に発表した。また、神経細胞と細胞性粘菌をモデルとして、細胞集団・組織・器官・個体レベルにおいてもキラリティ構造と左右非対称構造が存在するのかどうかについて定量的に解析するための技術の開発を実施した。これまで開発済みのイメージング技術と3D形態・4D運動に関する解析技術を当モデルの検証に利用できるように改良を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題を効率良く遂行するためには、まず検証可能な作業仮説を立てることが重要であるが、それに関する詳細なモデルを構築し、論文として発表することができた。また、当モデルの検証に必要な種々の要素技術の改良も進んでいる。以上のことから、おおむね順調に研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、イメージング、3D形態・4D運動解析技術を駆使しながら、キラルニューロンモデルの検証を進める予定にしている。
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