2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of long-distance signaling via peptide-receptor module in response to water-deficit conditions
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative system of autonomous environmental signal recognition and memorization for plant plasticity |
Project/Area Number |
18H04792
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 史憲 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (00462698)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物 / ストレス / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
水分ストレス依存的に、根から地上部に移動するペプチドを受容する2つの受容体に着目し、それら遺伝子の組織特異的発現解析を行った。1つの受容体はプロモーターGFP植物を用いた解析から、葉の葉肉細胞および維管束組織の両方で発現していることを明らかにした。さらに、根の細胞に着目したシングルセル発現解析の手法を用いて、もう一つの受容体の発現組織の解析を行った。その結果、この受容体は維管束組織でのみ発現していることを明らかにした。ペプチドによるABA合成制御シグナルは、2つの受容体が破壊された2重変異体でのみ消失することを考えると、これら2つの受容体が発現している維管束組織が、ペプチド-受容体シグナルが成立する組織であることが明らかとなった。また、シロイヌナズナのLRR-RLK型受容体は約600遺伝子以上存在すること、さらに、これら多数の受容体は、主にヘテロ2量体を形成することが示唆されている。本研究成果は、ヘテロな受容体の組み合わせが、植物体内で実際に機能すること、さらに複数ある受容体群が様々なヘテロな組み合わせを形成することで、その受容シグナルを適切に認識し、下流へ伝達し分けていることを示唆する知見となった。また、受容体2重変異体を用いて網羅的な発現解析を行い、ペプチド-受容体群が制御する下流シグナル伝達経路の全容を明らかにする試みを行った。その結果、ペプチド-受容体はABA合成酵素の発現だけでなく、ABAが関わらない浸透圧応答に含まれる遺伝子群も制御していることを明らかにした。特に、浸透圧ストレス耐性に関わる転写因子群だけでなく、アミノ酸や糖の合成・代謝に関わる酵素群も多数、制御されていることを明らかにした。これらの結果から、ペプチド-受容体は、ストレス応答に関わる代謝産物の蓄積も制御して、水分ストレス耐性を個体全体で獲得させる重要なシグナル因子であることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] シロイヌナズナのABA 応答を調節するグループC Raf 型タンパク質リン酸化酵素の機能解析2020
Author(s)
神谷佳明, 廣谷美咲, 石川慎之祐, 峯岸芙有子, Conner Rogan, 片桐壮太郎, 高橋史憲, 野元美佳, 石川一也, 児玉豊, 多田安臣, 坂田洋一, 竹澤大輔, Jeffery Anderson, Scott Peck C, 篠崎一雄, 梅澤泰史
Organizer
第61回日本植物生理学会年会(吹田, 日本)
Int'l Joint Research
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