2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanisms of metabolic adaptation in gut microbial ecosystem
Publicly Offered Research
Project Area | Transomic Analysis of Metabolic Adaptation |
Project/Area Number |
18H04805
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 真嗣 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任教授 (80435677)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 代謝物質 / メタボロゲノミクス / メタゲノム / メタボローム / ロバストネス / 環境適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの腸管内にはおよそ1000種類で40兆個にもおよぶとされる腸内細菌が生息しており、その集団(腸内細菌叢)は宿主腸管細胞と密接に相互作用することで、複雑な腸内生態系を形成している。近年の研究により腸内細菌叢の機能が明らかになるにつれて、その次の課題として、腸内細菌叢を含む複雑な腸内生態系全体の代謝機能をどのように制御するか、すなわち異種生物で構成される複雑な腸内生態系の代謝アダプテーションの理解とその制御という課題があげられる。そこで本研究ではマウスモデルを用いて、これまで異種生物と考えられてきた腸内細菌叢を一つの臓器として捉え、食事内容や薬剤投与などの環境因子パータベーションを与えた際の腸内環境変動について、統合オミクスアプローチや数理生物学的解析などの学際的研究手法を用いることにより、腸内細菌叢が有する代謝アダプテーション機構の理解を目指す。 本年度は特に食事内容がもたらす腸内環境の代謝アダプテーションの理解に向けて、マウスモデルを用いて異なる脂質濃度の餌を摂食させ、その際の腸内環境についてメタボロゲノミクスアプローチにより網羅的に解析した。すなわち、これらのマウスから経時的に便を採取し、便中の細菌叢遺伝子のメタゲノム解析と便中代謝物質のメタボローム解析を実施し、得られた時系列を伴った腸内環境情報をメタボロゲノミクスにより統合評価した。その結果、いくつかの腸内細菌や代謝物質は添加した脂質濃度依存的に変化することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画書のスケジュール通り、異なる脂質濃度の餌をマウスに摂食させ、得られたマウス便サンプル中の細菌叢および代謝物質について網羅的に解析した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の方針は、異なる脂質濃度の餌の摂食に依存して変化したマウス腸内細菌や代謝物質について、それぞれの変動との相関解析を実施することで、脂質パータベーションによるマウス腸内環境変動のネットワークを構築する。
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[Journal Article] A metabologenomic approach reveals changes in the intestinal environment of mice fed on American diet2018
Author(s)
Ishii, C., Nakanishi, Y., Murakami, S., Nozu, R., Ueno, M., Hioki, K., Aw, W., Hirayama, A., Soga, T., Ito, M., Tomita, M., Fukuda, S.
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Journal Title
Int. J. Mol. Sci.
Volume: 19
Pages: E4079
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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