2018 Fiscal Year Annual Research Report
植物幹細胞研究を加速させる植物ホルモンの高分解能検出
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of pluripotent stem cells underlying plant vitality |
Project/Area Number |
18H04832
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北口 哲也 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60432374)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物ホルモン / 蛍光タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物ホルモンの濃度変化を蛍光輝度変化で検出するセンサーを開発することが本研究の目的である。植物ホルモンは幹細胞の増殖や維持を含む、植物の成長のさまざまな場面で重要な役割を果たしているが、その分布や動態を時空間分解能高く検出するセンサーはあまり存在せず、その開発が待ち望まれていた。 今年度は、植物ホルモンのジベレリンを可視化するセンサーの開発に成功した。このセンサーは、ジベレリンを認識する抗体と緑色蛍光タンパク質の円順列変異体を融合し、構築している。一番最初のコンストラクトは、ジベレリン添加により、ほとんど輝度変化を起こさなかった。そこで抗体と蛍光タンパク質間のアミノ酸リンカーの長さを最適化することで、蛍光輝度が1.2倍程度上昇するセンサーを獲得することができた。さらにリンカーのアミノ酸配列をランダム変異よりスクリーニングすることで最終的には輝度変化が3倍以上のセンサーを開発した。 このセンサーの励起蛍光スペクトルを計測したところ、蛍光スペクトルはGFPと同様に510nm付近にピークが検出されたが、励起スペクトルは400nmと500nmの2つのピークが検出された。400nmのピークはプロトン化発色団、500nmのピークは脱プロトン化発色団と考えられる。したがって、輝度変化は発色団のプロトンの状態が変化することで生み出されていることが示唆された。さらにどのジベレリンに応答するかを検討したところ、スクリーニングに使ったGA3以外にGA1とGA4に応答することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、センサーのスクリーニングは終了し、植物ホルモンにより蛍光輝度が3倍以上変化するジベレリンのセンサーの開発は達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したジベレリンセンサーをプロトプラストに導入し、時空間分解能高いライブイメージングを達成する。センサーを発現するトランスジェニックシロイヌナズナを作製し、ジベレリンの分布をマッピングする。
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Research Products
(7 results)