2018 Fiscal Year Annual Research Report
寄生植物の寄生器官をつくる幹細胞の運命制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of pluripotent stem cells underlying plant vitality |
Project/Area Number |
18H04838
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 聡子 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (20450421)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 寄生植物 / 吸器 / エチレン / 遺伝学 / 変異体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハマウツボ科寄生植物は、宿主植物からのシグナルを受けて、根の細胞をリプログラミングして寄生器官である吸器を新生する。吸器の先端には分裂活性の高いメリステム様の組織が観察され、吸器幹細胞があると考えられる。この細胞群は、宿主植物が近傍にある場合には分裂を持続することで吸器の伸長を促し、宿主に到達すると細長い特殊な形状をした侵入細胞へと運命を変える。本研究では、モデル寄生植物コシオガマから単離した、吸器幹細胞の分裂活性の維持と侵入細胞への運命転換に異常を生じた変異体の解析を通して、宿主シグナルに依存した吸器幹細胞の運命制御機構を解明する。 本年度の成果として、1. 寄生植物コシオガマから吸器が伸長する変異体2ラインを単離し、その原因遺伝子を同定した。2. これらの変異体では野生型に比べて吸器先端部の細胞分裂活性が長く維持されていることを明らかにした。3. 変異体を宿主に感染させると、吸器の先端部が侵入細胞に変化せず、野生型より高い確率で宿主への侵入に失敗することが明らかになった。 これらの結果から、吸器先端部の細胞の運命が寄生植物のエチレンシグナル伝達系により制御されていることが示唆された。今後は、吸器幹細胞のエチレンシグナルによる運命制御を明らかにするために、吸器形成時のエチレンまたはエチレン前駆体の蓄積量を測定、変異体におけるトランスクリプトーム解析、変異体のサプレッサー変異の単離を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、吸器のメリステム組織の細胞分裂活性やその運命転換についての知見を得ることができたため、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
変異体を用いたとランスクリプトーム解析により、下流のシグナル経路の同定を行う。また、サプレッサースクリーニングを継続する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Haustorium Inducing Factors for Parasitic Orobanchaceae.2019
Author(s)
Goyet, V., Wada, S., Cui, S., Wakatake, T., Shirasu, K., Montiel, G., Simier, P. and Yoshida S.
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Journal Title
Frontiers Plant Sci.
Volume: 10
Pages: 1056
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Genome wequence of Striga asiatica provides insight into the evolution of plant parasitism.2019
Author(s)
Yoshida, S., Kim, S., Wafula, E. K., Tanskanen, J., Kim, Y.-M., Honaas, L., et al.
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Journal Title
Curr. Biol.
Volume: 29
Pages: 3041-3052
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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