2019 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子によるヒストン修飾制御を介した幹細胞新生の分子機構
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of pluripotent stem cells underlying plant vitality |
Project/Area Number |
18H04846
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
石川 雅樹 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助教 (00586894)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒメツリガネゴケ / 転写因子 / ヒストン修飾 / DNA損傷 / 幹細胞 / リプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒメツリガネゴケのSTEMIN1転写因子によるヒストン修飾変化を誘導する分子機構を解明することを目的とし、本年度では以下の解析を行った。 (1)これまでの解析から、STEMIN1発現誘導後、ゲノムDNAに損傷が入ることが示唆されたため、DNA損傷の指標であるリン酸化型H2A.Xに対する抗体を用いたChIP-seqを行った。ゲノム全体ではSTEMIN1発現誘導前後でのリン酸型H2A.Xシグナルに違いは見られなかったが、いつかの遺伝子領域では、STEMIN1発現誘導よりリン酸型H2A.Xシグナルが増加していた。また、STEMIN1発現誘導における幹細胞化には、DNA修復に機能するXRCC1遺伝子が必要であることが分かった。これらのことから、STEMIN1発現誘導によってゲノムDNAの損傷が誘発され、それにより活性化されるXRCC1を含むDNA修復経路がヒストン修飾変化に関わっているのではないかと考えた。そこで、XRCC1ノックアウト株とCitrineノックイン株を作製し、XRCC1ノックアウト株でのSTEMIN1発現後の遺伝子発現解析とH3K27me3修飾変化、および、STEMIN1発現誘導後のXRCC1-Citrineの細胞内局在変化についての解析を開始した。 (2)クロスリンクを用いた免疫沈降により、STEMIN1結合因子の探索を行う予定であったが、STEMIN1によるヒストン修飾変化の分子機構を明らかにするうえで、XRCC1遺伝子の機能解析が最優先であると考え、(1)の実験に集中した。 (3)幹細胞化している細胞はオーキシンレベルを低い状態に保っているため、オーキシン不活性化酵素GH3を異所的に発現させたところ、STEMIN1プロモーター活性が上昇した。これのことから、オーキシンレベルの低下がSTEMIN1遺伝子の発現を制御している可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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