2018 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体-細胞膜接触ゾーンの形成機構と脂質制御を介した生理機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
18H04859
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中津 史 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50360607)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 小胞体ー細胞膜接触ゾーン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、オルガネラや細胞膜は互いに近接して接触することで情報や物質を交換・輸送しながら細胞機能を維持していることがわかってきた。オルガネラ膜同士、もしくはオルガネラ膜と細胞膜は、「membrane contact site(膜接触部位)」と呼ばれるある特定の「ゾーン」において互いに接触し、2つの膜はわずか10-30nmの距離で近接している。特に小胞体は、細胞内全体に広く分布することで、ほとんどのオルガネラ膜や細胞膜と膜接触ゾーンを形成することがわかってきた。 近年の急速な膜接触部位研究の進展によって様々な膜接触ゾーンの同定が進んでいる。しかしながら、それら膜接触ゾーンがどのように形成され、どのような細胞生理機能を担っているかについての詳細は不明である。そこで本研究では、小胞体―細胞膜接触ゾーンの形成機構と脂質制御を介した生理機能の解明を目指している。本年度は、まずイメージング解析により小胞体―細胞膜接触ゾーンの形成機構の解明を試みた。超解像イメージングSCLIMを用いて、先行研究で新たに同定した小胞体―細胞膜接触ゾーン形成分子およびORP5を含むオキシステロール結合タンパク質ファミリータンパク質群をAcGFPにて標識し、種々のオルガネラマーカーとともライブイメージングによりその局在化機構を詳細に観察した。また、光―電子相関顕微鏡法(Correlative light and electron microscopy: CLEM)法により、AcGFP融合タンパク質分子の局在を電子顕微鏡解析により詳細に解析し、小胞体と細胞膜の接触ゾーンにおける局在化を検出した。より至適条件での観察を行うため、培養条件、固定化法などの種々の条件を詳細に検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、超解像イメージングおよび光―電子相関顕微鏡法(Correlative light and electron microscopy: CLEM)法によるイメージング解析によって、小胞体―細胞膜接触ゾーン形成分子群の局在化を検出できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
光―電子相関顕微鏡法(Correlative light and electron microscopy: CLEM)法による解析において、培養条件と固定化条件の検討をもう少し重ねる。他の研究計画については、当初の計画に沿って進める。
|