2018 Fiscal Year Annual Research Report
核輸送因子局在化ゾーンによる細胞核内外オルガネラ連携
Publicly Offered Research
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
18H04870
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安原 徳子 (垣内徳子) 日本大学, 文理学部, 准教授 (90423152)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 核輸送因子 / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞の核膜上にある核膜孔は、核への一定以上のサイズの分子の出入りを制限する。タンパク質などサイズの大きな分子は、特定の輸送因子に認識され、エネルギー依存的に核内外へと運ばれる。このような輸送因子の一つであるimportin αは核へと運ばれるタンパク質がもつ核局在化シグナルを認識し、細胞質から核内に輸送する。importin αは哺乳類では動物種に依存して5~7種類のファミリー分子が存在し、それぞれ積荷分子(基質)特異性があり、さらに組織特異的発現を示す。我々はこれまでに、importin αファミリーの発現パターンの変化がマウス胚性幹(ES)細胞の分化に必須であることを示した。importin αファミリーはそれぞれに異なる結合分子群をもち、細胞運命決定に際して異なる機能を果たすことがうかがえる。本研究では、importin αの細胞内局在について、細胞質のオルガネラと核を結ぶ連携役としての役割を果たすか、以下の内容を調べ、その機能と動態、重要性を探る。(1) 核輸送因子の局在領域の構成:importin αの細胞内局在に関連する分子を、importin α相互作用分子を同定して明らかにする。(2) 核輸送因子の細胞内動態:importin αの分子移動の解析を行う。(3) 核輸送因子とオルガネラの相互作用:importin αと、オルガネラに含まれる分子の相互作用を解析し、importin αとオルガネラを結ぶ分子ネットワークを明らかにする。 (4)異なる細胞活動に際する核輸送因子の局在変化:importin αが細胞死、細胞分化、細胞周期に応じて動態、及び機能を変化させるか、それぞれの細胞活動の際の上記(1)~(3)について明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、本研究では、核輸送因子の局在領域の構成と核輸送因子とオルガネラの相互作用について、(1) 核輸送因子の局在領域の構成:importin αの細胞内局在に関連する分子の同定、 (3) 核輸送因子とオルガネラの相互作用: importin αとオルガネラを結ぶ分子ネットワークの解明、の2項目について研究を進めた。まず、細胞質抽画分よりimportin αに結合する蛋白質を精製し、ファミリー分子間の相互作用因子に差異があるか調べたところ、明らかに異なる分子が複数種類見受けられた。また、importin α蛋白質の機能性ドメインを除いた変異体を作成して細胞に発現させたところ、細胞内局在が変化した。これらについて、使用する細胞種を変えると異なる結果が得られた。以上より、importin αが細胞種に応じて特定の相互作用因子を持つこと、自身の蛋白質の機能性ドメインを介して細胞内に局在化することが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、(1) 核輸送因子の局在領域の構成、についてはこれまでの結果得られた複数種類のimportin αファミリー分子間の相互作用因子を、質量分析を用いて同定する。多数の相互作用分子が候補に挙がった場合には、importin α蛋白質の変異体の相互作用因子も解析し、特に細胞内局在化に関与するものを優先的に調べる。(3) 核輸送因子とオルガネラの相互作用については、(1)で得られた候補因子より、オルガネラ機能に関与するものを選び、解析する。さらに、(2) 核輸送因子の細胞内動態、についてはimportin αの野生型および変異体の細胞内分子移動の解析を行う。 (4)異なる細胞活動に際する核輸送因子の局在変化は、(1)~(3)で得られた結果をもとに、細胞死、細胞ストレス、細胞分化などにおける核輸送因子の局在変化を解析する。
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Research Products
(5 results)