2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of suppressive histone modification in sex determination
Publicly Offered Research
Project Area | Spectrum of the Sex: a continuity of phenotypes between female and male |
Project/Area Number |
18H04882
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 隆司 京都大学, 医学研究科, 教授 (30322770)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ezh2はヒストンH3の27番目のリシン残基にメチル化を導入することで遺伝子発現を抑制する。この遺伝子発現の抑制が性決定に関与する可能性を検討するために、Ezh2のconditional KOマウスを胎児期の生殖巣でCreを発現するトランスジェニックマウスと交配し、Ezh2を生殖巣で欠損するマウスの作成を行った。予想通りこのマウスは正常に生まれて成熟した個体となったため、このKOマウスの精巣を回収して切片を作成し、解析を行った。しかしながら、このマウスにおいては精子形成が正常に起こっており、Ezh2の欠損のみでは性転換が起こらないことが分かった。このことから、Ezh2は直接性決定には関与していないことが示唆された。またEzh2の実験と並行してアデノ随伴ウイルスを用いた新規の精巣への遺伝子導入法を開発した。これまでの実験で使われているウイルスでは精細管を通過することが不可能であったが、アデノ随伴ウイルスは基底膜および血液精巣関門を通過して、生殖細胞および精巣体細胞へと遺伝子導入できることを示した。また、このウイルスを用いることによってKitl遺伝子を欠損するために先天的に不妊であるSteelマウスから正常な子孫を作成することに成功した。Steelマウスは生殖細胞がほとんど見られない精巣をもっており、ヒト疾患ではSertoli cell only syndromeに対応するモデルマウスとして知られている。過去にSteelマウスの遺伝子治療に成功した報告例はあるものの、生殖細胞への遺伝子導入が起こる可能性や、炎症を生じるなどの問題があり、ヒトには応用されていない。ところが今回生まれてきた個体にはアデノ随伴ウイルスの遺伝子挿入もなく、炎症像も見られないことが確認された。これらの実験結果からアデノ随伴ウイルスはヒトの不妊症でも治療に用いることができる可能性が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたEzh2の欠損マウスを作成することができたこと、またアデノ随伴ウイルスによる遺伝子導入法を開発できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Ezh2以外に抑制性のヒストン修飾に関与する分子の機能解析を行い、性決定への関与を検討する。
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[Journal Article] ROS amplification drives mouse spermatogonial stem cell self-renewal.2019
Author(s)
Morimoto H, Kanatsu-Shinohara M, Ogonuki N, Kamimura S, Ogura A, Yabe-Nishimura C, Mori Y, Morimoto T, Watanabe S, Otsu K, Yamamoto T, *Shinohara T.
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Journal Title
Life Sci Alliance
Volume: 2
Pages: e201900374
DOI
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