2019 Fiscal Year Annual Research Report
性染色体XO型の絶滅危惧種アマミトゲネズミ生殖細胞の性スペクトラム
Publicly Offered Research
Project Area | Spectrum of the Sex: a continuity of phenotypes between female and male |
Project/Area Number |
18H04883
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本多 新 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10373367)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アマミトゲネズミ / iPS細胞 / 異種間キメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はY染色体に依存せずに雄性が発生する性染色体がXO型の絶滅危惧種、アマミトゲネズミから樹立したiPS細胞を精子や卵子に分化誘導し、雄のiPS細胞から生じる精子・卵子および雌のiPS細胞から生じる精子・卵子にどのような機能差があるのか、そしてその機能差を司る分子メカニズムをスペクトラムで数値化することを目指す研究である。 これまでメスのアマミトゲネズミからしか樹立に至っていなかったiPS細胞であったが、2年間の研究期間でオスからもiPS細胞を樹立することに成功した。次にアマミトゲネズミiPS細胞を効率よく生殖細胞に分化誘導するために、異種間キメラ作成を行った。異種間キメラとして多能性幹細胞を効率よく受け入れる動物種はマウスとラットのみであるが、ラットの方がより異種の多能性幹細胞を生殖細胞として分化させる能力に優れるという報告があり、我々もラット胚を宿主とした異種間キメラ作りの実験系を立ち上げた。しかしながら、ラットはマウスに比べると体外受精や胚培養の技術開発が圧倒的に遅れており、ラット胚を調製するための技術開発が必要不可欠であった。そこで本研究期間でラットの過排卵、体外受精、およびゲノム編集を高効率で行う方法を開発し誌上発表した(Honda et al., Sci.Rep. 2019)。そのようにして開発したラット胚操作技術を活用して、ラットとトゲネズミの異種間キメラを作成したところ、アマミトゲネズミのiPS細胞がラットの胚に効率よく寄与することを確認した。次に、ラット胚を用いた生殖巣および生殖細胞を異種の細胞で補完するために、体外受精卵子にゲノム編集を施し、そこから得られた胚を宿主として補完法を行ったところ、マウス⇒マウス、マウス⇒ラットで同種あるいは異種の生殖巣および生殖細胞の補完に成功している。以上の実験系を構築したことから、現在はラットとアマミトゲネズミの異種間生殖巣補完を行っている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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