2019 Fiscal Year Annual Research Report
性スペクトラムにおける生理活性脂質プロスタグランジンの役割
Publicly Offered Research
Project Area | Spectrum of the Sex: a continuity of phenotypes between female and male |
Project/Area Number |
18H04886
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
土屋 創健 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 講師 (80423002)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生理活性脂質 / ゼブラフィッシュ / 性スペクトラム |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪酸やリン脂質に由来する生理活性脂質の性スペクトラムにおける意義、役割を明らかにするために、脂肪酸やリン脂質に由来する生理活性脂質に対する受容体に着目して解析を行った。TALEN法を用いて、生理活性脂質受容体遺伝子に欠失変異を導入し、フレームシフトにより第2膜貫通領域近傍にストップコドンの生じる本生理活性脂質受容体機能欠損ゼブラフィッシュを作成した結果、成熟後の性別が雌に偏っており、本生理活性脂質受容体が性スペクトラムを雄に偏らせる役割を有し、雌雄の成熟制御、および、バランスに寄与している可能性が示唆された。 ゼブラフィッシュに性染色体は見出されておらず、従来概念では、受精後7-15日に始原生殖細胞が生殖巣に到達し、受精後25日までにかけて生殖腺の運命決定がなされ、その後に雌雄どちらか一方への分化・形成が進むとされている。そこで、従来概念のゼブラフィッシュ生殖腺運命決定期である受精後25日の本欠損ゼブラフィッシュにおける精巣のセルトリ細胞 (sox9a)、ライディッヒ細胞 (cyp11c1)、および、卵巣の顆粒膜細胞 (foxl2a)のマーカー遺伝子の発現量を調べた。その結果、野生型ゼブラフィッシュと比較して本欠損ゼブラフィッシュではsox9a、cyp11c1の発現量が有意に高かった。一方、foxl2aの発現量に有意な差はなかった。これは本欠損ゼブラフィッシュで最終的に性別が雌に偏るのとは逆の方向性を示しており、従来概念の生殖腺運命決定期以降に、生殖腺の性スペクトラムを強く制御する新規機構が存在すること、その新規機構に本生理活性脂質受容体が重要な役割を担うことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Competition for mitogens regulates spermatogenic stem cell homeostasis in an open niche.2019
Author(s)
Kitadate Y., Jorg DJ., Tokue M., Maruyama A., Ichikawa R., Tsuchiya S., Segi-Nishida E., Nakagawa T., Uchida A., Kimura-Yoshida C., Mizuno S., Sugiyama F., Azami T., Ema M., Noda C., Kobayashi S., Matsuo I., Kanai Y., Nagasawa T., Sugimoto Y., Takahashi S., Simons BD. and Yoshida S.
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Journal Title
Cell Stem Cell
Volume: 24
Pages: 79-92
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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