2018 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモーダル内視鏡による大脳基底核の細胞活動と電気的振動現象との関係解明
Publicly Offered Research
Project Area | Non-linear Neuro-oscillology: Towards Integrative Understanding of Human Nature |
Project/Area Number |
18H04931
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小山内 実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90286419)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 内視鏡 / 蛍光イメージング / マイクロ電極 / 多細胞神経活動計測 / マルチモーダル / GECI / 脳・神経 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳・神経系は神経細胞、局所神経回路、大規模神経回路のように階層構造を成しているため、それぞれの階層のデータを集約し統合的に解析を行うことで初めてその機能発現メカニズムを知ることができる。そのために我々は、マルチスケールイメージングを展開しているが、メゾスコピックな視点でマクロな情報とミクロな情報をつなぎ、統合的に解析する必要がある。そこで本研究では、in vivo 多細胞イメージングと同時に細胞外電位を計測することが可能なマルチモーダル内視鏡システムを開発し、大脳基底核の機能解明を目指し、以下の研究を行った。 1. in vivo 多細胞神経活動イメージングを行うことができる極微細蛍光内視鏡イメージングシステムを開発した。このイメージングシステムを用いて、固定下の動物ではあるが、G-CaMP 発現マウスで in vivo カルシウムイメージングを行い、単一細胞を識別できる空間分解能での多細胞神経活動計測に成功した。 2. 神経活動イメージングと電気生理学的計測を同時に行うことができる、マルチモーダ ル内視鏡の電極部分のプロトタイプを作成した。このプロトタイプは中に極微細蛍光内視鏡を挿入できるジルコニア製のチューブの外側に、非球面フォトファブリケーションプロセスを利用して複数の計測電極を構築したものである。このプロトタイプの電気的特性を評価し、神経活動計測に供することができる電極が作成できたことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 極微細蛍光内視鏡イメージングシステムの開発 in vivo で神経活動のダイナミクスを捉えることができる低侵襲極微細蛍光内視鏡イメージングシステムを開発した。この内視鏡部は、直径 450 um, 画素数 1 万のイメージファイバと直径 500 um の GRIN レンズを組み合わせたものであり、従来の内視鏡と比較し侵襲度は低いにも関わらずその空間分解能は約 2 um であり、単一細胞を十分視認できる。このイメージングシステムを利用し、固定下ではあるが、G-CaMP 発現マウスの海馬での多細胞神経活動イメージングに成功している。また、この内視鏡によるイメージングを自由行動下の動物に適用するために、これまで困難であった内視鏡の動物への固定法の開発を進めている。平成 30 年度は、ジルコニア製の専用固定具を開発し、自由行動下の動物へ適用のための手術手技も含めた基礎技術の開発及び実用性の検討を行った。 (2) マルチモーダル内視鏡の開発 2-1 内視鏡用マイクロ多点電極の開発 極微細蛍光内視鏡での多細胞神経活動イメージングと同時に電気生理計測を行うために、内視鏡を動物に固定するガイドカニューレのように用いるジルコニア製のチューブの外側にマイクロ微小多点電極を構築した。独自に開発した非平面フォトファブリケーションプロセスを利用して複数の計測電極を有した外径 0.8 mm、内径 0.62 mm、電極数 6 のチューブ型電極のプロトタイプを作製した。この電極の電気的特性の計測を行い、一般に電気生理学計測に用いられる電極と特性を比較し、結果をもとに改良を加えることにより、電気生理学計測に供することができる電極を開発した。 以上の進捗状況から、研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 30 年度に行った研究を引き続き継続し、マルチモーダル内視鏡の要素技術の更なる開発を行う。加えて、極微細蛍光内視鏡による自由行動動物に対するカルシウムイメージングを行うための技術開発を行うと共に、マイクロ多点電極を用いた in vivo 神経活動計測実験を行い、その結果を基に、マルチモーダル内視鏡の更なる改良を進める。 この開発を進めながら、in vivo イメージング、in vivo 電気生理を同時に行うことができるような頭部固定装置の開発も進め、実際の動物に適用することで、光学計測と電気計測を同時に行うことができるマルチモーダル内視鏡の完成を目指す。
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[Presentation] Integarting neuronal ensembles constitute and replay hippocampal engram.2018
Author(s)
Ghandour K, Ohkawa N, Fung CCA, Asai H, Saitoh Y, Takekawa T, Okubo-Suzuki R, Soya S, Nishizono H, Matsuo M, Sato M, Ohkura M, Nakai J, Hayashi Y, Sakurai T, Osanai M, Kitamura T, Fukai T, Inokuchi K
Organizer
第 41 回日本神経科学大会
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