2018 Fiscal Year Annual Research Report
小脳回路およびオリゴデンドロサイト異常による発振現象の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Non-linear Neuro-oscillology: Towards Integrative Understanding of Human Nature |
Project/Area Number |
18H04939
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
竹林 浩秀 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60353439)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オシロロジー / 小脳 / オリゴデンドロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
小脳とミエリン形成細胞の異常により出現する発振現象のメカニズムについて解析を行った。 1つめのマウスモデルとして、ジストニン(Dst)遺伝子の変異によるdystonia musculorumマウスの病態解析を行った。本マウスは、感覚神経の細胞死とジストニア様の捻転運動、運動失調を示す。末梢のミエリン細胞であるシュワン細胞にてDst遺伝子をノックアウトすると遅発性のニューロパチーが起こることがわかった。中枢のミエリン形成細胞であるオリゴデンドロサイトについては、以前にオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖低下が観察されることを報告し、解析を継続 している。使用している2系統のDst変異マウスのうち、自然発症Dst変異マウスにおいて、神経型アイソフォーム(Dst-a)に加えて皮膚型アイソフォーム(Dst-e)にも変異が入り、神経症状に加えて皮膚の症状もあることを見出した。一方、Dst遺伝子トラップ系統は神経型Dst-aに変異はあるが皮膚型Dst-eに変異はなく、皮膚症状がないことがわかった。 2つめのモデルとして、神経症状と成長障害を示すToyマウスについての解析を共同研究として行った。この自然発生変異マウスの原因遺伝子は翻訳開始因子eIF2Bのサブユニットの一つをコードするEif2b5遺伝子である。Toyマウスの脳内では、脱髄が起こること、オリゴデンドロサイト前駆細胞が塊となって存在する異常が散見され、この部位ではオリゴデンドロサイト前駆細胞から成熟オリゴデンドロサイトへの分化が阻害されていることが示唆された。さらに、生後数ヶ月以降にてんかんを発症することも判明した。Toyマウスは白質消失症(Vanishing White Matter disease, VWM)のモデルとなりうることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス掛け合わせの若干の遅れはあったが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2019年度は、本研究提案にて得られた成果を、論文化することを目指す。
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