2018 Fiscal Year Annual Research Report
延髄下オリーブ核閾値下膜電位オシレーションの分子機構と機能的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Non-linear Neuro-oscillology: Towards Integrative Understanding of Human Nature |
Project/Area Number |
18H04947
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (00303272)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 下オリーブ核 / resonance特性 / オシレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
延髄下オリーブ核ニューロンは、サイン波状の周期的閾値下膜電位振動(subthreshold membrane potential oscillation: STO)を示すことが知られている。STOを示す多くの神経細胞では、細胞膜が特定の周波数を持つ電流入力を大きな電圧変化として出力する特殊な電気特性(resonance特性)を持つことが知られており、STO発現に必須であると考えられている。昨年度までの解析から、resonance特性の発現にはHCN1チャネルとCav3.1T-type電位依存性Ca2+チャネルに加えて、Kv11チャネルが関与することが主に薬理学的な解析から想定されていた。この点について分子的な実態を明らかにするため、HEK293にKv11チャネルを発現させ、resonance特性を再現できるかどうか確認した。通常のHEK293はresonance特性を示さなかったが、Kv11.3を発現させると、膜電位が脱分極した状態ではっきりしたresonance特性が見られるようになることが分かった。また、通常のHEK293には見られない、自発的なSTOが出現することも分かった。これらの結果は、Kv11.3チャネルに強い膜電位振動の誘導特性があることを示唆する。また、昨年度来続けていたKv11.3の遺伝子組み換えマウスの作成が終了し、下オリーブ核ニューロンを用いて機能解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Kv11.3が強い膜電位振動の誘導特性をもつことが判明した。その他のKv11チャネルについても解析を進めており、現在成果の公表のため論文を作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
中枢神経系に発現が多いKv11チャネルのうち、Kv11.1について同様な解析を進めている。Kv11.1にはErg1aとErg1bという2種類のsplice variantがあることが知られており、これらの違いについても解析を進める予定である。また、作出が終了したKv11.3ノックアウトマウスについても、イオンチャネルの発現やresonance特性への影響を解析する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Microglia permit climbing fiber elimination by promoting GABAergic inhibition in the developing cerebellum.2018
Author(s)
Nakayama, H., Abe, M., Morimoto, C., Iida, T., Okabe, S., Sakimura, K., Hashimoto, K.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 9
Pages: 2830
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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