2018 Fiscal Year Annual Research Report
Neuronal mapping mechanism evaluated by electrocorticogram analysis based on information network structure
Publicly Offered Research
Project Area | Non-linear Neuro-oscillology: Towards Integrative Understanding of Human Nature |
Project/Area Number |
18H04950
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
佐藤 直行 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (70312668)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳神経科学 / 非侵襲的脳活動計測 / 情報システム / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,先の新学術研究・公募班(平成28-29年度,代表者)の成果として得た脳波コヒーレンス情報回路解析手法を基盤として,神経表象の局所変換に関する新しい解析手法を構築することが目的である.平成30年度は先の公募班研究に引き続き、言語分散表現と脳波コヒーレンスを対応づけることで、脳内意味ネットワークを推定する手法を確立することに注力した。解析に用いる被験者データを12例まで増やし、呼称課題における皮質脳波データを解析した。提案していた解析手法は計算負荷が非常に大きかったが、重回帰分析の変法として再定式化することで、簡便に解析できるようになった。使用する言語分散表現が認知過程と関連することは、単語カテゴリ効果(前に提示したカテゴリと同じカテゴリの場合、呼称発話が早い)により示唆された。提案手法の妥当性を交差検定を用いて検証した結果、特定の単語の分散表現から脳波コヒーレンスの予測能力は、刺激提示から0-0.8sまでの期間、2-32Hzまでの周波数帯域の前頭部―側頭部間において有意であることが示された。さらに、この予測能力は言語分散表現の特徴次元数が多いときにより高いことも明らかになった。これらの結果は提案手法が妥当であることを指示するもので、今後の研究推進の基盤となる。今後は提案手法を言語以外の画像特徴、音韻特徴などに同時に適用することで、神経表象の局所変換の推定手法として発展せることを試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、本研究の基盤となる、分散表現と脳波コヒーレンスを対応づけて解析する手法の確立に努め、今後の研究推進の基盤となりえる成果を得た。実施計画にはなかったが、提案手法を実際的な時間内で解くための解法について再定式化を行った。提案手法は12名の呼称課題遂行中の皮質脳波データに適用され、概ね良好な結果を得た。これらより、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究として、提案手法を言語意味、画像、音韻など複数の分散表現について同時に適用し、局所回路における情報変換の推定手法として発展させる。画像の分散表現については既に予備的な検討を行っており、研究の実施については特に問題は見当たらない。音韻の分散表現については、妥当な手法を選定する必要がある。推定された情報回路については生理学的な妥当性を定量的に示す必要があり、その検定手法については検討を要する。
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Research Products
(3 results)