2018 Fiscal Year Annual Research Report
メカノセンサーとしての間葉系幹細胞
Publicly Offered Research
Project Area | "LIVING IN SPACE" - Integral Understanding of life-regulation mechanism from "SPACE" |
Project/Area Number |
18H04971
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
檜井 栄一 金沢大学, 薬学系, 准教授 (70360865)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体間葉系幹細胞は、骨組織において骨芽細胞や軟骨細胞の供給源であり、さらに、ニッチ細胞として血液細胞の機能調節にも関与することが報告されている。宇宙飛行士や長期臥床者には骨量の急激な減少とともに、免疫機能の低下も観察される。近年、生体間葉系幹細胞の幹細胞特性と重力環境変動の関連性が報告されているが、微小重力環境下で発症する機能異常における生体間葉系幹細胞の役割は未解明である。私たちはこれまでに、MAPKの一つであるExtracellular signal-regulated kinase 5(Erk5)が、間葉系幹細胞の幹細胞性維持機構に必須であることを見出した。したがって本研究では、間葉系幹細胞のErk5は、骨組織のメカノトランスデューサーとして、重力変動環境下における生体恒常性維持に重要な役割を果たしているのかを明らかにすることを目的とした。まず最初に、微小重力環境下での骨組織における機能変動と生体間葉系幹細胞におけるErk5活性との関連性を明らかにすることを目的に、模擬微小重力モデルである尾部懸垂を負荷したマウスの後肢を用いて実験を行った。尾部懸垂負荷マウスの骨組織において、骨芽細胞数低下および骨形成能低下と、B細胞の減少が観察された。さらに同マウスの骨組織において、生体間葉系幹細胞のErk5のリン酸化低下が認められた。また、生体間葉系幹細胞におけるErk5の機能的役割を明らかにする目的で、生体間葉系幹細胞特異的遺伝子改変マウスを作製し、表現型解析を行った。その結果、生体間葉系幹細胞のErk5が不活性化したマウスの骨組織において、野生型マウスと比較して、著明な骨量の低下とB細胞の減少が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、微小重力環境下におけるErk5の活性化の解析を実施し、さらに細胞特異的遺伝子改変マウスを用いた解析により、間葉系幹細胞のErk5が骨恒常性維持に重要な役割を果たしている可能性を見出した。さらにあらたな遺伝子改変マウスの作製と解析も進んでいることから進展と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は骨髄由来間葉系幹細胞の細胞培養系を用いたin vitro解析により、詳細なメカニズム解析が必要である。また、生体間葉系幹細胞を誘導的欠失させたマウスを作製し、間葉系幹細胞欠失マウスの微小重力環境下での血液細胞の機能解析および骨表現解析を行うことによって、「微小重力環境下における間葉系幹細胞の重要性」を明らかにする。
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[Journal Article] The MAPK Erk5 is necessary for proper skeletogenesis involving a Smurf-Smad-Sox9 molecular axis.2018
Author(s)
Iezaki T, Fukasawa K, Horie T, Park G, Robinson S, Nakaya M, Fujita H, Onishi Y, Ozaki K, Kanayama T, Hiraiwa M, Kitaguchi Y, Kaneda K, Yoneda Y, Takarada T, Guo XE, Kurose H, Hinoi E.
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Journal Title
Development
Volume: 145
Pages: dev164004
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Translational Control of Sox9 RNA by mTORC1 Contributes to Skeletogenesis.2018
Author(s)
Iezaki T, Horie T, Fukasawa K, Kitabatake M, Nakamura Y, Park G, Onishi Y, Ozaki K, Kanayama T, Hiraiwa M, Kitaguchi Y, Kaneda K, Manabe T, Ishigaki Y, Ohno M, Hinoi E.
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 11
Pages: 228-241
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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