2019 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム周期の決定機構解明と操作
Publicly Offered Research
Project Area | "LIVING IN SPACE" - Integral Understanding of life-regulation mechanism from "SPACE" |
Project/Area Number |
18H04972
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 教授 (20296552)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | サーカディアンリズム / 体内時計 / 視交叉上核 / 神経ネットワーク / バソプレシン / 遺伝子操作マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
概日リズム周期の操作は地球外生活に有用な技術となる。概日リズム中枢・視交叉上核(SCN)は、多種ニューロンから成るネットワークである。本研究では、SCN神経ネットワークの概日周期決定機構を理解し、さらに周期操作方法の開発を目指す。以前、AVPニューロンのみで細胞時計周期を長くする(casein kinase 1d: CK1dを欠損する)と、概日行動リズムの周期も延長することから、AVPニューロンが概日周期を決定するペースメーカー細胞の少なくとも一部であることを見出した。昨年度はCK1dをSCN全体、AVPニューロンのみ、VIPニューロンのみで欠損したマウスの行動周期を比較し、AVPニューロンがSCN全体が発振する概日周期の主要な決定要因と結論した。 本年度は各マウス系統のSCNスライスの概日リズムを、Per2::Lucレポーターマウスを用いた発光イメージングで解析した。AVPニューロン特異的欠損マウスは行動リズム周期延長にもかかわらず、SCNスライスのPER2::LUCリズムに一貫した周期延長が再現されない。in vivoではSCN背側部(AVPニューロンが主)と腹側部が相互作用し単一の長周期をSCNが発振するが、スライスでは神経連絡や細胞外環境が保たれず、腹側部が優位になり背側部の周期までを制御すると考えられた。SCN全体欠損マウスではスライスでも比較的長期間周期延長が観察されたが、振動は明らかに減衰した。腹側部-背側部相互作用の分子実体を明らかにすべく、AVPニューロン特異的欠損マウスのSCNスライスで周期延長を再現できる薬理学的処理を検索中で、手がかりを得つつある。またファイバーフォトメトリーを用い、当該マウスの生体内でのSCN活動リズムを測定中である。概日リズム操作も行い、化学遺伝学でVIPニューロンを刺激すると、行動リズムが時刻依存的にシフトすることを見いだした。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|