2019 Fiscal Year Annual Research Report
物体・素材認知機構の立体覚の観点からの解明と認知症早期診断技術への展開
Publicly Offered Research
Project Area | Understanding human recognition of material properties for innovation in SHITSUKAN science and technology |
Project/Area Number |
18H05009
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
楊 家家 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 助教 (30601588)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 質感認知 / 触覚認知脳機能 / 脳イメージング / 認知症早期診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
質感認識の科学的知見は,非常に鋭敏で繊細とされているヒトの質感認識の様態やメカニズムを明らかにするだけでなく,産業界における高品質ものづくりなどに貢献できる。本研究の目指すところは,社会的要請の極めて大きい認知症の早期発見に質感認知の科学的知見を応用することである。本研究では,原因,症状の異なる認知症患者全てに共通に観察される「中核症状」の中のうち,個人の性格や習性等に影響されない「遅延記憶再生」課題を用いる認知心理学的・脳科学的実験研究によって触覚の物体認識統合過程を解明する。また,それに基づいて認知症早期発見法を考案し,医学的臨床応用の有効性を検証して認知症早期発見技術の開発への展開を目指している。該当研究期間において,代表者らは,まず基礎研究について,マルチスケールな認知脳機能解明の研究アプローチを取り入れ,触覚による対象認知特性を大脳皮質層から全脳までの機能に結びつけて研究を進めてきた。次に,これらの基礎研究の知見に基づいて,認知症の進行に伴う記憶や理解・判断力などの認知脳機能の低下を検出できるタスクを考案して,認知症早期発見装置の開発も進めてきた。具体的な研究業績について,以下の4項目に要約できる。1) 触覚による角度識別のトレーニング効果の検証。2) 触覚による対象形状と表面粗さ認知の脳内処理の差異の解明。3) 7TレイヤーfMRIによるヒト3b野の各層の機能的役割の検討。4) 認知症早期発見に使用できる触覚認知能力検査装置の開発。今後,これらの研究成果をさらに発展させ,認知症と診断された後に「どのように認知症による脳機能低下を防ぐか」も視野に入れて研究を進めて行く予定である。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|