2018 Fiscal Year Annual Research Report
Inflammatory cell society in cardiac homeostasis and failure
Publicly Offered Research
Project Area | Preventive medicine through inflammation cellular sociology |
Project/Area Number |
18H05023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
眞鍋 一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70359628)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マクロファージ / 炎症 / 恒常性 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はマクロファージと線維芽細胞が多彩な機能を持ち、組織恒常性の維持と病態の両面で主要な働きをすることを明らかにしてきた。またこの多様性がエピゲノムの柔軟な変動によってもたらされていることを見いだした。しかしながら、特にマクロファージの遺伝子発現と機能変化のダイナミズムは非常に大きく、細胞集団の平均値を与える従来の技術では、局所的な細胞間相互作用によってもたらされる変動や、時間的に速い応答等を捉えきれることができない。そこで本研究ではシングルセル等を用い、時空間の中でのマクロファージならびに線維芽細胞における細胞間相互作用の役割を明らかにすることにより、炎症細胞社会がどのようにストレスへ適切に応答し、組織恒常性を維持しているのか、またその破綻・異常が、どのように臓器機能障害をもたらすかを解析することを目的とした。心臓マクロファージならびに線維芽細胞についてシングルセルRNA-seq解析を行い、その多様性を見いだした。マーカーとなる遺伝子群を同定し、フローサイトメトリー等により細胞サブポピュレーションの存在と変化を解析した。シングルセル解析により、従来のフローサイトメトリー等で同定されていた以上に多様なサブポピュレーションが存在することが明らかとなった。また、リガンドと受容体の関連から、マクロファージと線維芽細胞の相互作用についての解析を進めた。マクロファージと線維芽細胞の相互作用を仲介する多数のリガンドー受容体ペアの候補を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シングルセルRNA-seq解析法を確立し、当初の目的通り、マクロファージならびに線維芽細胞の多様性を同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では特に心臓を中心に解析する。これまでの解析で、心臓組織マクロファージと線維芽細胞の両者の多様性を同定した。さらに、心臓ストレスによる変化や、遺伝子改変の影響を解析することにより、ストレス応答における両細胞のダイナミズムの解析を進める。また、共培養系等により同定したリガンド-受容体ペアを含めて細胞間相互作用解析を行う。これらによりマクロファージと線維芽細胞の相互作用が織りなす炎症細胞社会のダイナミズムが、どのように心臓の恒常性を維持し、また、病態を進めるのか、その制御機序を明らかにすることを目指す。
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