2019 Fiscal Year Annual Research Report
RNA機能変化を端緒とした炎症細胞社会学の確立
Publicly Offered Research
Project Area | Preventive medicine through inflammation cellular sociology |
Project/Area Number |
18H05024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 基之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90518945)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸管上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
消化器系の組織では、慢性炎症が惹起されると、高率にその臓器組織での腫瘍形成を見る(肝臓癌・大腸癌など)。本研究では、過去の消化器組織での持続炎症からの発癌機構の解明とそれに基づく発癌予防法の開発研究で明らかにした「慢性炎症の刺激が、細胞内の遺伝子発現の調節を司る小分子RNA(microRNA)の機能を全般的に低下させ、その結果 腫瘍が発生する」という持続炎症に続発する腫瘍の形成メカニズムについて、一細胞レベルでの検討をすすめることを目的とする。つまり、炎症の場における個々の細胞内でのmicroRNA機能を定量的に解析し、炎症の持続過程における時空間的な個々の細胞内のmicroRNAの機能の変化、およびその後の遺伝子発現の量的変化について統合的な解析を行う。さらに特に上皮の癌化に注目して、「non-coding RNA の機能から見た炎症細胞社会学とそれによる癌化機構」の概念を確立するとともに、その結果に基づく炎症と腫瘍の科学的な予防法の確立を目ざすものである。 本年度は、これまでマウスで行われていた検討をヒト細胞・組織で検討するために、iPS細胞から腸管上皮細胞を分化誘導し、その細胞群をair-liquid interface 培養をすることで、ヒト腸管上皮組織と類似の組織上皮が培養皿内で再構成できることを見出した。しかも、腸管上皮は胚細胞や腸上皮細胞に分化しており、かつ、上皮細胞の下には線維細胞も誘導されていることから、この系は極めてヒト腸管上皮に類似した形態・細胞構成を持つことが示唆された。この系を用いて、Crohn病患者由来のiPS細胞を用いて同様の腸管上皮組織系を構築し、たとえば炎症性サイトカインの刺激に対する反応性の違い、一細胞解析による各構成細胞の細胞群のグループ分けなどを検討していく予定となっている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)