2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism of chronic intestinal inflammation at single-cell level using optogenetic technique
Publicly Offered Research
Project Area | Preventive medicine through inflammation cellular sociology |
Project/Area Number |
18H05033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高山 和雄 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (10759509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / ゲノム編集 / 1細胞 / 腸炎 / 腸管上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性炎症は線維症や癌発症に繋がる重大な危険因子である。近年の1細胞解析技術の飛躍的な進歩により、1細胞レベルでの慢性炎症の解明が進展している。1細胞レベルのゲノム、エピゲノム、トランスクリプトーム解析技術等を用いて炎症細胞社会を順遺伝学的に理解する研究は精力的に実施されているが、1細胞レベルでゲノム、エピゲノム、トランスクリプトーム変異を人為的に誘導し炎症細胞社会を逆遺伝学的に理解する試みはほぼ実施されていない。研究代表者らはこれまでに、光を照射した細胞のみでゲノムおよび遺伝子発現を操作できるシステムを構築済みであるため、炎症に関連した変異を光照射した細胞に導入することができる。本研究では、従来の順遺伝学的アプローチにより得られた腸炎及びそれに付随する大腸癌に関連した変異を1細胞レベルで導入し、腸炎を起点とする大腸癌の進行の予測及び予防に役立つ因子を同定を目指している。平成30年度は、ゲノム変異を光照射で誘導するためにベクター開発を行った。ゲノム変異を導入可能な光応答性ゲノム・遺伝子発現操作カセットを搭載したファイバー改変型アデノウイルスベクターを構築した。ファイバー改変型アデノウイルスを用いることにより、ほぼすべての細胞種に対して100%近い遺伝子導入効率を達成できる。光照射に依存してヌクレアーゼStreptococcus pyogenes Cas9(SpCas9)を発現可能なプラスミドを構築した。本実験では光依存的なpromoterとしてoptimized Gal4(65)-VVD with p65 activation domain(GAVPO)を使用した。本システムをファイバー改変型アデノウイルスベクターに搭載し、光照射依存的にSpCas9を発現するベクターを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、光照射依存的にSpCas9を発現するアデノウイルスベクターを作製することに成功した。本ベクターを投与した後に、青色光を照射することにより、ほぼ任意の部位・細胞にゲノム変異を誘導することが出来る。また、ヒト腸管モデルをヒト多能性幹細胞より効率的に作製する方法を開発できた。本モデルを使用することにより、ヒトモデルを用いた腸炎研究も実施することが出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト腸管単層膜モデル(Stem Cell Reports. 2018 Dec 11;11(6):1539-1550.)に対して、光照射とOpt/Cas-Adベクター(ACS Chem Biol. 2018 Feb 16;13(2):449-454.)を用いて様々な遺伝子変異を1細胞レベルで導入する。ヒト腸管単層膜の分化誘導はトランスウェル上で行い、バリア機能を有する腸管単層膜を構築する。その後、変異細胞の挙動を解析する。ヒト腸管単層膜モデルでの実験と同様に、マウスモデルを用いた検討も実施する。動物モデルを用いた実験では光照射時間が制限されることから、ゲノム変異を導入できる最短の光照射時間、および、off-targetを生じない最大の光照射強度を調べる。
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Research Products
(1 results)