2019 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維症を自然発症するマウスを用いた細胞ネットワーク解析
Publicly Offered Research
Project Area | Preventive medicine through inflammation cellular sociology |
Project/Area Number |
18H05046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本村 泰隆 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10587794)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺線維症 / ILC2 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性間質肺炎(IIPs)は、原因が特定できない間質性肺炎の総称であり、特定疾患に指定された難病である。IIPsのなかでも半数を占める肺線維症は平均余命3-5年と予後不良であり、未だその病態メカニズムは不明で根治薬も存在しない。 当研究室が見出した新規のリンパ球2型自然リンパ球(ILC2)は、上皮系の細胞から産生されるIL-25やIL-33などのサイトカインに応答し、2型サイトカインIL-5、IL-13を産生することでアレルギー病態に寄与する。我々はILC2の抑制機構を欠失したマウスが週齢依存的に肺の線維化を自然発症することから肺線維症の病態形成にILC2が重要な役割を担っている可能性を見出した。 肺線維症の病態進行に伴う肺組織全体の変化を一細胞レベルで解析するため、肺組織を用いたシングルセルRNA-seq解析を行い、肺線維症自然発症マウスの肺で起こる線維化の全貌を明らかにしようと試みた。その結果、肺線維症発症前の未病期においてILC2の活性化が起こり、それに次いで、発症時期に好酸球、マクロファージ、そして線維芽細胞の遺伝子発現変動が次々と誘導されていた。肺線維症の発症に好酸球の関与が考えられたが好酸球を欠失させても肺線維症を発症したことから、好酸球の病態への関与は低いことが考えられる。また、線維芽細胞のクラスター解析により病態の進行とともに、コラーゲンなどの細胞外マトリックス関連遺伝子を高発現する線維芽細胞群が増加し、この線維芽細胞がILC2と相互作用する可能性を示唆する結果が得られた。そこで、in vitroでILC2とナイーブマウスの肺由来の線維芽細胞を共培養したところ、線維芽細胞は、肺繊維症の病態と相関する線維芽細胞とよく似た遺伝子発現パターンを示した。このことから、ILC2が繊維化を引き起こす病原性線維芽細胞を誘導し、肺線維症の病態形成に寄与することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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