2018 Fiscal Year Annual Research Report
Segmentation of Voice and Gesture: Developmental Cognitive Neuroscience Approach
Publicly Offered Research
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
18H05061
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
開 一夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30323455)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 発達認知科学 / ジェスチャー / 乳児 / 再認 / モーションキャプチャ / 運動と認知 / 運動記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非言語コミュニケーションの発達的変遷を解明するために、発達科学と認知神経科学の先端的計測手法を用いて、音声とジェスチャーの分節化能力の相互発達過程を明らかにする。ヒトは生後間もなくして、養育者の「ことば」だけではなく、乳幼児に対するリズミカルな身振り手振りに出会い、自分たちなりのジェスチャーを使って養育者に答える。乳幼児はどのようにして養育者のジェスチャーを理解しているのであろうか?また、乳児のジェスチャーの理解と「ことば」の理解はどのような関係にあるのか? これらの問いに挑戦するため、本研究では、 【研究項目1】ジェスチャーの分節化の初期発達に関する発達脳科学的研究 【研究項目2】ジェスチャーの分節化に音声が与える影響に関する縦断的研究 の2つの研究項目を実施している。本年度は、【研究項目1】を重点的に実施した。【具体的には、音声の分節化能力を評価するための統計学習課題、及び脳機能計測システムを使用して、乳幼児がジェスチャーの分節化に使用する手がかりを行動と脳活動レベルから特定する研究を行った。行動レベルにおいては、 複数のジェスチャーを乳児に呈示し、乳児の注視行動とともに、乳児の腕運動もモーションキャプチャ装置で計測した。これらのデータを分析した結果、刺激視聴中の乳児の腕運動がジェスチャーの再認パフォーマンスと有意な関係にあることを発見した。本研究成果は国際会議に発表予定であり、更にデータを追加して、有力国際誌に投稿するよていである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
乳児を対象としたジェスチャー認知の実験結果は、ジェスチャー刺激呈示中の乳児の腕運動が刺激のエンコードと深い関わりがあることを見いだすことができた。この発見は、新規なものであり、乳児研究だけでなく、広く動作の記憶などに発展可能である。 引き続き、脳活動計測実験のデータ分析を平行して実施することで、より広範囲にインパクト与えられる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、【研究項目1】と平行して、【研究項目2】を実施する。つまり、【研究項目1】の参加児を対象に、ジェスチャーの分節化に音声が与える影響に関して3ヶ月に1回の頻度で計測を行う。これらの縦断的な知見を統合することで、音声とジェスチャーの分節化の相互発達過程を明らかにする。 脳活動計測に関しては、近赤外線分光法(NIRS)、及び、脳波計(EEG)を用いて、発達初期の乳児(6ヶ月児、8ヶ月児、そして10ヶ月児)がジェスチャーの分節化に使用する手がかり(具体的には、統計的手がかり、及び、動作の運動特徴)、及び、発達初期の乳児における分節化に関連した脳活動(具体的には、分節化された単語の開始点を基準(0)として 350ms から 500ms 内に生じる前頭領域の脳活動の変化)を特定する。
|
Research Products
(5 results)