2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating language evolution through structures of cultural skills
Publicly Offered Research
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
18H05066
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中橋 渉 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 専任講師 (60553021)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語進化 / 構造性 / 人類進化 / 文化進化 / 数理モデル / 分布域拡大 / 石器 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、言語と文化技術の両方に関与する、構造性を理解し使いこなす能力(本研究では構成能力と呼ぶ)の出現が文化技術の発展に与える影響を数理モデルで研究した。そして、構成能力が生じた場合、個々の技術を積み上げ式で学習する必要のある組み合わせ技術は高度化しないが、並行学習可能な組み合わせ技術は高度化することを示した(Nakahashi 2019)。すなわち考古証拠から、積み上げ学習が必要な組み合わせ技術があまり高度化しないにもかかわらず、並行学習可能な組み合わせ技術が高度化した時期を明らかにできれば、構成能力の出現時期を推測できる。それを踏まえ本年度は、考古証拠をもとに上記2種類の文化技術の発展史を検証した。積み上げ学習が必要な組み合わせ技術の指標としては石器技術を用い、並行学習可能な組み合わせ技術の指標としては分布域の広さを用いた。すると、人類の拡散史における最大の拡散は200万年前頃に起こっているが、石器技術がそのころに激変しているとは到底言えないことが分かった。そしてこの時期以外に石器技術の発展と分布域の拡大に大きな食い違いがある時期は存在しない。このことから、構成能力は200万年前頃に出現したと強く示唆される。当時起こった脳容量の急増がそれと関連していると考えられる。また、構成能力がどのような条件で進化するのかを数理モデルで検討した。さらに、言語能力に関係するといわれる解剖学的特徴について、現生人類と類人猿や古人類でどう相違するかの調査を行った。これらの研究成果について、本研究が属する新学術領域「共創的コミュニケーションのための言語進化学」の開催した研究集会や、日本人類学会大会などの学術集会で発表した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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