2018 Fiscal Year Annual Research Report
On the feasibility of using recursive structure derived by Merge in the phonological domain
Publicly Offered Research
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
18H05081
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 音韻論 / 回帰的併合 / 素性 / エレメント / 外在化 / 階層構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間言語の起源は、語彙項目を対象とする回帰的併合操作の出現にあるとされる。従来この操作は、音韻範疇に対しては適用されないと考えられてきた。しかし、本研究では、音韻範疇(素性)を対象とする併合操作が「語彙化過程」において存在する、ということを、様々な音韻現象の分析を通して明らかにする。これにより、併合操作が適用される言語学的対象物の種類は、従来想定されていたものよりも多種である可能性が生じる。 以上を遂行するにあたり、研究全体を以下の3種類の部門(A部門: 形態素内音韻属性の語彙化過程の解明、B部門: 極小主義的音韻素性の探求、C部門: 回帰的階層構造の音声的線形化の探求)に分け、それぞれの研究課題に関する文献を調査し、それらの理論上の争点を明確にすることを試みた。その上で、極小論の研究指針に合致するモデルの構築を行った。 研究実施計画に沿って、A部門では、形態素内音韻範疇の語彙化を説明する諸モデルの比較検討を行い、B部門では、極小主義的音韻素性の特定化を試みた。また、C部門では、音韻構造を音声的に線形化する仕組みについて、様々なモデルを比較しながら検討した。これらを解明するために、各部門ごと、(1)検証すべき仮説を決定したのちに、(2)先行研究の丹念な調査を行った。 そして、各部門での研究進捗状況および成果を詳細に、且つ、統合的に分析した上で、回帰的併合を呈する音韻モデルの構築を試みた。その研究成果は、論文の形で複数の研究雑誌に投稿された。それらの一部(2編)は、国内において出版された。また、国内外の6つの学会において報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究遂行に必要な 関連文献やデータの入手が予定通り行われ、それらを丹念に検討・分析した結果をもとに、回帰的併合を有する音韻モデルを、進化言語学という文脈において、発展させることができた。また、研究成果を、国内外の様々な学会や研究誌で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行するにあたり、これまで通り、(1)回帰的併合について論じている文献(前年度に入手することができなかったものと新たに出版されたもの両方)の収集を行い、それらの内容を丹念に検討する。 そして、(2)同様の関心を持つ国内外の研究者から情報を収集し、積極的に意見の交換を行う機会を設ける。さらに、(3)前年度同様、研究成果を英語でまとめて、国内外の学会や学会誌で発表する。
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Research Products
(9 results)