2018 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノム変化による機能性肝細胞ダイバーシティー形成原理の解明とその制御
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
18H05102
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30415195)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 細胞・組織 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
幹細胞から分化した細胞は内在性プログラムによって様々な遺伝子が細胞の機能的相違に基づいて体系的に発現し、個々の機能を獲得しながら臓器内の適切な位置に配置される。このような内在性プログラムによる臓器の成熟過程では、細胞の機能に応じて特定遺伝子領域のエピゲノム状態が変化し、それらが起点となって細胞の機能的相違が生じるが、その詳細な機序は不明である。そこで本研究では、機能の異なる肝細胞の亜集団が組織内の位置に応じて適切に配置される肝臓をモデルとし、微量サンプルのトランスクリプトーム・エピゲノム解析を駆使することで、未成熟な肝細胞のエピゲノム変化によって機能の異なる肝細胞が生まれるメカニズムを明らかにする。これまでに行った研究では、肝細胞の1細胞RNAシーケンス解析の結果から機能の異なる肝細胞亜集団を特定し、それぞれの位置特異的なランドマーク遺伝子セットを同定した。また、エピゲノム解析を行う上で必要となる組織からの肝細胞採取について、レーザーマイクロダイセクションを用いて位置特異的な肝細胞亜集団を特異的に採取する方法を確立した。また、連携研究者の大川らが開発した微量サンプルのエピゲノム解析手法(ChIL-seq)(Harada et al., Nat Cell Biol. 2019)を導入し、レーザーマイクロダイセクションを用いて採取した肝細胞亜集団のエピゲノム解析が可能な実験系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに行った研究では、位置特異的な肝細胞亜集団のランドマーク遺伝子セットを同定し、肝組織中からの肝細胞亜集団の回収法と微量サンプルのエピゲノム解析法を確立したことから、エピゲノム変化による機能性肝細胞ダイバーシティー形成原理の解明に向けておおむね順調に研究が進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、機能の異なる肝細胞亜集団を肝組織中から回収し、ランドマーク遺伝子の発現を制御する転写因子の挙動やヒストン修飾等のエピジェネティックな制御機構を解明・制御するとともに、培地の組成を変化させることで、未成熟な肝細胞が特定の機能を獲得する過程で生じるエピゲノム変化を誘導する外的環境要因の同定を試みる。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Cell aggregation culture induces functional differentiation of induced hepatocyte-like cells through activation of Hippo signaling2018
Author(s)
Yamamoto, J., Udono, M., Miura, S., Sekiya, S., Suzuki, A.
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 25
Pages: 183, 198
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Prolonged inhibition of hepatocellular carcinoma cell proliferation by combinatorial expression of defined transcription factors2018
Author(s)
Takashima, Y., Horisawa, K., Udono, M., Ohkawa, Y., Suzuki, A.
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 109
Pages: 3543, 3553
DOI
Peer Reviewed
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