2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of Novel Metal Complex Catalysts Bearing Functional Moieties in the Second Coordination Spheres and the Photochemical CO2 Reduction Catalyses
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of novel light energy conversion system through elucidation of the molecular mechanism of photosynthesis and its artificial design in terms of time and space |
Project/Area Number |
18H05176
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石田 斉 北里大学, 理学部, 准教授 (30203003)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元 / ルテニウム / ペプチド / 非天然アミノ酸 / 超分子光触媒 / 人工酵素 / 人工光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工光合成系構築のためには、光エネルギー吸収・増感、酸化・還元反応触媒など様々な機能性分子を精巧に配列することが重要である。我々は、複数の機能性分子を自在に接続・配列可能とするためペプチド鎖を導入した機能性分子の開発を行っている。 本研究では、(1) 高いCO2還元触媒活性を有するルテニウム錯体の第二配位圏に官能基を導入することによって、その触媒活性をさらに向上させることを目的とする。特に、さまざまな酵素活性中心において見られるように、触媒反応中間体に直接作用する官能基に対して水素結合あるいは静電相互作用を及ぼす第2の官能基を有する触媒を合成し、その活性について評価する。さらに、(2) 複数の機能性分子連結が可能であることを証明するため、上記のルテニウム-ペプチド錯体触媒に、光増感作用を有するルテニウム錯体を接続した超分子光触媒の合成も計画している。 研究初年度である2018年度は主に、ビピリジン型非天然アミノ酸を含むペプチド配位子を利用して、ルテニウム錯体触媒の第二配位圏に官能基を導入した新規なルテニウム-ペプチド錯体を合成した。その光化学的CO2還元触媒反応について検討したところ、アニオン性側鎖を導入することによって触媒活性が約4倍向上することを見出した。このことは反応機構の理解にも重要な知見を与える可能性があり、現在、さらに検討を行っている。また、光触媒反応に必要な光増感分子を、触媒とペプチド鎖で連結した超分子光触媒についても検討を行い、その合成方法を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度に予定していた金属錯体の第二配位圏に官能基を導入することを、ルテニウム錯体において達成し、その光化学的CO2還元触媒能がアニオン性基を導入することで向上することも見出すなど、期待通りの成果を得ている。さらに次年度に予定している異なる機能を有する分子をペプチド鎖を用いて連結する合成手法についても確立させており、本研究は順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、光増感分子と触媒分子がペプチド鎖で連結した超分子光触媒を合成し、その光化学的CO2還元触媒反応について検討する。またこれまでに検討してきた第2配位圏への官能基導入による触媒活性向上のメカニズムを明らかとし、さらなる高活性分子触媒の設計指針を得たいと考えている。
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