2019 Fiscal Year Annual Research Report
Transnational networks of non-state actors: Armed Conflicts, NGO/CSO and illegal drugs
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of social/human sciences based on rerational studies: in order to overcome contemporary global crisis |
Project/Area Number |
19H04516
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
岡野 英之 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (10755466)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | タイ / ミャンマー / 国境 / 武装勢力 / 移民 / シャン人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はミャンマー内戦の考察である。特に隣国タイに注目し、ミャンマー内戦に関わるタイでの動きを考察することで、ミャンマー内戦を捉え直す。特に、タイとミャンマーにまたがって居住するシャン人に注目し、シャン人による武装勢力がいかに隣国タイを利用しているのか、そして、シャン人による国境を越えた社会・経済活動が、いかにミャンマー側での武装闘争とつながっているのかを明らかにするものである。 2019年5-6月には二つの口頭発表を行った。ビルマ研究会(津田塾大学で2019年5月11日に開催)では、シャン人武装勢力、「シャン州復興委員会/シャン州軍南部」(RCSS/SSA)が隣国タイのシャン人コミュニティーといかに関わっているのかを発表した。また、日本文化人類学会2019年度研究大会(東北大学,2019年6月1日)では、RCSS/SSAがナショナリズムの作り手となっており、その受け手はミャンマーにいるシャン人というよりも、タイにいるシャン人であることを論じた。同内容についてはその後、論文に執筆し、Journal of Human Securityと難民研究ジャーナルに掲載された。 2019年8-9月、2020年2-3月には現地調査を実施した。前者では主にミャンマーに滞在し、ミャンマー国内のシャン人の政治活動や社会活動について調査をした。後者では、国境沿いに作られたシャン人村の成立史を聞き取り調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究発表も、調査も順調に進んでいる。研究発表に関しては、2019年5-6月には二つの口頭発表を行った。ビルマ研究会(津田塾大学で2019年5月11日に開催)では、シャン人武装勢力、「シャン州復興委員会/シャン州軍南部」(RCSS/SSA)が隣国タイのシャン人コミュニティーといかに関わっているのかを発表した。また、日本文化人類学会2019年度研究大会(東北大学,2019年6月1日)では、RCSS/SSAがナショナリズムの作り手となっており、その受け手はミャンマーにいるシャン人というよりも、タイにいるシャン人であることを論じた。同内容についてはその後、論文に執筆し、Journal of Human Securityと難民研究ジャーナルに掲載された。 また調査の方は、2019年8-9月、2020年2-3月には現地調査を実施した。前者では主にミャンマーに滞在し、ミャンマー国内のシャン人の政治活動や社会活動について調査をした。後者では、国境沿いに作られたシャン人村の成立史を聞き取り調査した。こうしたことから調査も研究発表も順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらなる現地調査を進める。特に、ミャンマー国内の政治的な動きとタイのシャン人コミュニティがどのように関わっているのかについては現地調査をする必要がある。なお、その調査の際の参考にするのが、本年度の現地調査で収集した資料である。前回の調査では、Shan Herald Agency for News(新聞社)で新聞記事を集め、チェンマイ大学でタイ人やミャンマーからの留学生が執筆した修士論文や博士論文を収集した。こうした文書資料に書かれていることを手掛かりに、2020年度には新たな現地調査を実施したい。なお、コロナ禍の影響で渡航が不可能な場合は、文書資料の渉猟を続けることとする。
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